火曜日しばらく雑記帳・2023 CW16
イエス・キリストの復活を祝うイースター、今年は 4/7 が聖金曜日、4/9がイースターだったということで海外の拠点でははその前後も合わせて連休だった人も多かった。日本でもだいぶん認知されてきたと思うので、そのペースに合わせて段取りしてうまく仕事を運んだ人も多いと思う。
しかし、東方教会の暦によるルーマニアでは 4/14 が聖金曜日で祝日、4/16がイースター、翌月曜日も祝日だ。稼働が4/18から、ということは日本時間の4/18夕方まで動かないということである。もちろん私達の年末年始と同様にさらに続けて1日2日年次休暇をとる人もいる。
迂闊であった。東方教会...この diversity / inclusion の時代に、まったく気づかなかった。私としたことが。
もう20年以上前だろうか、技術課題の解決にまったなしの状況で焦る私に、「私達にとって、イースターは holy day なのだから理解してくれ。」とドイツの同僚(当時)のヘフトさんは、長い holiday をとる自身のドイツ人同僚をかばって私を諭すように言ってくれた。
仕事を進めるうえで拍子を意識することがいかに大事か、相手の拍子を理解することがいかに大事か、偉そうに書きながらこの私が思い知らされてしまった。
もちろん、異なるカルチャーは尊重しなければならない。私達だって 特に年末年始くらいは holy day 仕事の催促メールはご免だ。しかも日本は Golden Weekだって間近だ。私達を尊重してもらおうと思えばこそ、相手を尊重しなければならない。
自分で進められるところは進めつつ、空回りしながらも、じっと我慢の子である。
■そんなこんなで、少々ヘコタレ気味ではある。花粉もあればこのところ黄砂も来ているせいもある。飲みすぎはともかくとして、だ。
やはり、そんなときはカリーに限る。土曜日はすこし時間をかけて3種のカリーを作り、プーリーを揚げて夕食にした。
自己流のプーリーは簡単に作れる。粉(薄力粉:強力粉 = 1:1、塩少々)を水まわしながら捏ねて休ませて、分割して捏ねてちょい休ませて丸く伸ばして、油で揚げればOK。揚げるときにプーっと風船のように膨らんで破裂しそうで、ちょっと怖いが、火加減さえ気を付けておけば経験的には大丈夫。
拍子、というのは人間が整えるものだ。感情にせよ理屈にせよ、遊びだって仕事にしても、そのまま表に出さずに整えて表に出すことで広く共感が得られる。すなわち響きが生まれるのだ。そして持続する響きが生まれるためには拍子だけでなく、拍子が生み出すスペクトラムに合った大きさと形の空間が必要となる(*1)。
弁当が小宇宙である、という人がいるのはそのようなことを思ってのことだろう。
六大に響きあり。
■先週にひっかかった音楽を少し
1.アン・パセオ (Anne Paceo) の新しいシングル "From Shadow to Light" がリリースされた。アン・パセオの作り出す楽曲、リズムや音作りが、よっぽど私の好みに合うのだろう。先週から何度も何度も聴いている。
YouTubeで公開された動画は若干不穏な雰囲気がたっぷりだ。
女性の権利について声を上げた曲だということのようだ。世の中の理不尽に対して怒って声を上げる、そのような強烈な思いが音楽という形に整えられると、固有の迫力と緊張感に耳に残るものも多い。
チャールズ・ミンガスの音楽なんかもそうだし、最近、私が同様に感じたのはブラジルのシコ・セザールの "Bolsominions." 去年の雑記帳で触れたが、再掲しておこう。
もう少しフォークソング風のものならば、チャーリー・ヘイデンとカーラ・ブレイの Liberation Music Orchestra。
ちょっと脇道にそれた。
アン・パセオは注目だ。今年、新しいアルバムが出るだろうか。楽しみにしている。
2.度々、雑記帳で書いているラリ・バシリオ。明るい紫のリップに明るい紫のネイルに明るい紫のアイバニーズのギター、明るくて綺麗で正確なうえ闊達でスピード感あふれる演奏、この人にもぞっこんだ。
アイバニーズのギターで白のシグネチャーモデルが売り出されたらしく、動画で紹介している。
お洒落にもほどがある。
3.ヤマンドゥ・コスタ、活発に活動しているので、毎週毎週「ヤマンドゥ・コスタ通信」と題する記事を書いてマガジンにまとめても何年も続くのではないかと思われるが、先週リリースされたシングルはオーケストラの作品だ。
これも楽しめる演奏で、先週から何度も聴いている。
4.ギリシャのベテランシンガー・ソングライターのソクラテス・マラマスのシングル "Otan Mou Hamongelas" ("When You Smile at Me" - by Google 翻訳) ライブレコーディングらいしいが、同じライブから今年に入って3曲目となる。
女性ボーカルは、若手シンガーの Ioulia Karapataki イオウリア・カラパタキだ。
イオウリア・カラパタキ はアルバムはリリースされていないようだが、YouTube にいろいろ動画があがっている。
5.Paul Simonが7年ぶりの新しいアルバム "Seven Psalms" (「七つの詩篇」)をリリースするというとても嬉しいアナウンスがあった。
本人のインタビューも聞けるトレーラーが YouTube に上がっている。
美しいジャケ写だ。2019年1月15日に見た夢をきっかけに、それ以来、夢の中で得た言葉を、都度、書き留めて7曲の歌としてまとめ上げたということだ。預言者のようだ。
ワールドワイドでは 2023/5/19にリリース、日本語での対訳などついた日本でのリリースは 2023/6/21ということである。
ポール・サイモンに関しては、思い入れが深すぎてこれまでほとんど触れなかったかもしれない。このアルバムのリリース後、うまく書けるかわからないが書いてみたいと思う。
■土曜日は一日雨だったのだが、日曜日にはあがった。日曜日は午後からまた雨になるという予報だったので、朝早くに起床して、普段よりちょっと短めの 8.9km 走ってきた。月曜日にしっかりと稼働しようと思うと、疲れを残さないように自重したのだった。
湿度も高く、昼前には今にも降り出しそうだったが、午後から雲が切れていい天気に回復した。
15時すぎに近所の公園をブラブラと散歩した。
イスラム教の世界では、今ラマダンの最中だ。3/22 - 4/21が今年のラマダンの期間だということなので、今週末にはラマダンが明ける。
ユダヤ教は過ぎ越しの祭り、4/5 - 4/13の期間だったということだ。
地域によって、自然には固有の1年のリズムがある。また人間の身体にも固有のリズムがある。これらから拍子が生まれ響きが生まれ、文化を特徴づけることになる。だから拍子を理解することをは文化を理解することの第一歩なのだ。
■注記
(*1) 若干テキトーである。ChatGPTのようにキーワードをそれらしくつなげてみただけ、と言えるかもしれない。
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