火曜日しばらく雑記帳・2024 CW07
中国では1週間の春節に入ったし、韓国もソルラル、ベトナムはテト、インドネシアではイムレック、という具合にアジア諸国でも旧暦の正月をお祝いして連休になった。さらにはブラジルもカーニバルで14日まで連休だ。日本は11日が建国記念の日で12日が振替で休みなので3連休となり、2月12日は期せずして世界中で22億人程度の人が休日となった。
普段のやりとりが多い中国が休みなので、会社のメールやチャットも静まり返っていて、私のかかえていた仕事も先週末にドタバタしていたものの、多くはひと段落ついていて、久しぶりに静かな週末ではあった。
そんな静かな連休中に、年末に読んだ "Elusive" の感想を書いてアップしようと思っていたが、ぼんやりしているうちに逃してしまった。読書感想文は順番に上げていきたいと思っている。
■菜花の季節だ。さっと茹でるだけで、彩もそうだが、ほろ苦い味がアクセントになって、どの料理にも付け合わせとして具合がいい。
先月、友人と横浜の野毛へ飲みに行った。ふらりと入った焼き鳥屋がよかったのだが、おまかせの串のなかの一品で菜花の焼いたのが出てきた。少し焦げるくらいにローストすると香ばしくて美味しいことに気が付いた。
菜の花を載せて焼いたグラタンもなかなか良かった。芽キャベツと紫玉ねぎと鶏をオリーブオイルでざっと炒めて火を通し、螺旋のパスタ・フジッリを合わせてから、ペシャメルソースで和え、上にさっと茹でた菜の花を載せて、さらにチーズをオン。180℃のオーブンで15分ほど焼いて出来上がり。
芽キャベツもこの季節の楽しみだ。
キャベツと芽キャベツは違う、という話があるが、実は、どちらもアブラナ科である。つまりは菜花と同じ科なのだ。だから菜花をローストして少し焦げたときの味は、焼きそばのプレートの隅で焦げているキャベツと同じで、甘くて香ばしい味になるわけだ。
小松菜や青梗菜もアブラナ科であり、このあたりは似たような味わいがあり相性がいい。
ちなみにほうれん草はヒユ科で、実はビーツもヒユ科であることをひょんなことから知った。ほうれん草の根本の赤いところはビーツと共通の甘さ・美味しさがあるのだという。泥がついていて洗いにくいので、私は根本をバサっと切ってしまうのだけど、それを見ていた母から「それはもったいない」と指摘されて気がついた。
また、そのときに母から言われたのが、ほうれん草には結石の原因となるしゅう酸が含まれているので、水に浸したり、一度湯に通すなどしてアクをとるほうがよいという。同じヒユ科のビーツも、アクによるえぐみはほとんどないが、同様にしゅう酸が含まれているということで、なるべく茹でて使うほうがよいということである。
ビーツの下ごしらえで時短で電子レンジを使うこともあるだろうし、切ったビーツを一度茹でこぼすと色がもったいない気がするが、気になる向きは注意するといいだろう。
なお、菜花をはじめ、アブラナ科の野菜はしゅう酸がほとんど含まれてないということだ。
ちょっと豆知識が長くなった。ご存知の方も多い内容だとは思うけれども、自分のためのメモでもあるので許してほしい。
先週金曜日は、鶏のビリヤニ。先週の中近東風ピラフと同じ要領だ。骨付きの手羽元と、インゲンに紅くるり大根、バスマティライスを炊きこんで作った。骨付きの鶏は食べにくい。手を汚しながらガツガツ食べてあっという間にご馳走様。
スパイスは自分で挽かずに、スターターはマスタードシードとカルダモンシード、メインはMDHのチキンカリーマサラ。
先週末まで相変わらずの状況だったので、オフィスに顔を出すことなく、弁当も作ることがなかった。
例えば、会議に参加しながらのこんな昼食だ。
スナップエンドウも季節に入り、手頃な価格で大きく美味しいものが入手できるようになった。しばらく楽しめる。
■先週にひっかかった音楽を少し
1.小曽根真の新しいアルバム "Trinfinity" がリリースされている。
まだあまり聴けていないが、一聴して元気が出る演奏だ。華麗で流れるような小曽根真のピアノをたっぷりと楽しめる。タイトルの由来は Trio と infinity (無限) を掛け合わせたものだ。若手ミュージシャンとの共演でありながらも、今後へのポテンシャルではなく、すでに素晴らしいクリエイティブな演奏が出来ているという、そんなリスペクトと自信があふれているタイトルがいいではないか。
参加ミュージシャンについては、上に貼った Universal Music Storeの紹介を引用しておく。
その小曽根真はアヴィシャイ・コーエンとのデュオでツアーも行い、先月だったか東京でライブもやっていた。
小曽根真はますます目が離せない。
アヴィシャイ・コーエンは以前に記事を書いたし、彼を通じて、若手女性ドラマーのロニ・カスピに入れ込んでいる。
2.先週の雑記帳で、グラミー受賞者について少し触れたが、トレーシー・チャップマンのことを書くのを忘れていた。
去年、カントリーのシンガー、ルーク・コムズが "Fast Car" を歌ってヒットさせた。なんと 2023年7月8日付ビルボードのカントリー・ラジオ・チャートでトップとなったのだ。ルーク・コムズは知らなかったが、オリジナルはトレーシー・チャップマンの1988年のデビューアルバムに収録されていて、彼女のファンの私は、当時よく聴いた。
このアルバムは素晴らしいアルバムで、是非みなさんに聴いていただきたい一枚だ。
グラミーの受賞は逃したものの、授賞式で二人が共演して演奏したのが大変に話題になった。
公式のビデオはこちらで視聴できる。
このライブパフォーマンス後、iTunesで #1になったということだ。"nearly four decades after its release!" … というか、オリジナルがリリースされたときには iTunes はなかった。
ルーク・コムズは1990年生まれだということだ。トレーシー・チャップマンが、母親のような暖かい目で大柄なルーク・コムズに笑顔を向け肩をたたくのが印象的だ。
そういえば、トレーシー・チャップマンがボブディランの30周年コンサートで歌う"The Times They Are a-Changing"「時代は変る」は、いつ聴いてもいい。
3.ブラジルの女性シンガー、ダニ・グルジェルとピアニストでダニのお母さんデボラ・グルジェルのDDG率いる DDG19 Big Band に、トロンボーンでアメリカのNatalie Cressmanを迎えて楽しいシングル "Dá Licença" がよかった。
DDG19, 2か月前に、ベーシストのミシェル・ピポキーニャをフィーチャーしての "Veredas"をリリースしていて、なかなかよかったので、前の雑記帳でも紹介している。
4.アバンギャルドのギタリスト、ヘンリー・カイザーが好きで昔からよく聴いていたが、最近でも活動は盛んで、確か去年に一度、雑記帳で紹介したことがあったように思う。不思議な響きの楽器との共演がひっかかってきた。韓国の Komungo という箏に似た楽器らしく、演奏者は Jin Hi Kim。
Komungoというのは知らなかったのだが、YouTube で動画を検索してみると、Jin Hi Kimは エレクトリックでしかもMIDI付きのものを演奏したりするらしい。
5.イスラエルの女性シンガー、リラズ。Reeperbahn Festival Collideでライブで3曲演奏しているのが流れて来た。
6.現代のギタリストの最高峰とも呼ばれるジュリアン・ラージ (Julian Lage)。新曲の "Nothing Happens Here" がリリースされた。これはしみじみといい。何度も繰り返し聴いた。アコースティックギターの柔らかい響きがしなやかなメロディによく合っている。寄り添うようなピアノの演奏もマッチしていてロマンティックな音作りだ。クラリネットも華を添える。後半のフリーな演奏もアクセントになって楽しめる。是非、聴いてみていただきたい一曲だ。
少し前にリリースされていたアップテンポな"76"も楽しめる。
超絶技巧を見せつけるわけでもなく、奇をてらったところも押しつけがましいところもなく、リラックスして聴けることだろう。
仕事しながら聞き流すのもいいし、ぼんやりと考え事しながら聴くのもいいし、じっくりと聴くのもいい。Julian Lage はそんなギタリストだ。
■3連休の初日は新横浜でいつものコースを 13.8km 走って来た。空気は冷たいが、明るい青空で素晴らしい天気の午前中だった。
今年の年間目標は去年と比較して 30km 短くしたが、去年と同じようなペースで走っているので、前倒し気味だ。天候や体調不良で休む回数を増やすことができる。今月中に貯金して、来月1回休みにする予定でいる。
また、健康維持のための運動という目的から考えると、週に一度の高強度の運動ではなくて、距離を短くして2日おきに走るなど、そういう風にいずれは変えていくべきだろう。今年は今のままで行くつもりではあるが。
■カントの「永遠平和のために」を購入して、この3連休から読んでいる。1795年に出版されたという本であるが、今こそ広く読み返されるべき本ではないかと思っている。今日の世界情勢を見て歴史を振り返ると、人類が人類である以上、戦争は避けられないのではないか、あるいは恒久的平和の実現はできないのではないか、とも思えてしまう。永遠平和の実現のためにどう考えるべきなのか、偉大な先人の言葉を聞いてみよう。
イスラエルとパレスチナのガザ地区での戦争は、さらに南部のラファまで空爆し悲惨な状況が伝えられてくる。やりきれない思いでいっぱいだ。即時停戦を求める。
世界中の紛争が早く解決しますように。