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火曜日しばらく雑記帳・2023 CW17

思ったよりも時間がかかったが、2月頭から読んでいた湯浅泰雄の「身体論」は先週のうちに読了した。3月5日に、いったん途中まで読んだところで思ったところを投稿しておいた。

この日曜日にまとめて感想を書こうと思ったけれども、世界における自己の位置づけについて東洋と西洋の捉え方の違い、身体の二重構造と心の二重構造、主体と客体、意識と無意識、錯覚、記憶、時間と空間、修行、仕事、などいろいろ話が発散しながらまとまらず断念した。

昨晩も、この雑記帳に、そのようないくつかの論点の中から比較的容易な点に絞って気づかされたことを書いておこうと思って、書いては消し書いては消ししたけれどもなかなかうまくいかない。もう少し熟成するのを待ったほうがよさそうだ。

だが、書こうとして書けないのはやはり妙に力がはいっているからだろう。つまりは、上手に書こう、読んでいる人を感心させたい、とか、大向こうをうならせたい、など、そういう「自分」が先にたつ邪心があるからだろう。

散文であるし単なる個人の感想だ。思っていること感じたことを素直にまとめて表現すればいいだけではないか。

そういうと、この雑記帳も毎週なぜだか力が入ってしまう。毎週木曜日の音楽の記事も回を追うごとに力が入ってしまっている感じもする。各トピックについて、それほど知見も鑑賞眼もなく表現力もないけれど、自分の人生を彩るいろいろなことに感謝を込めて「好きだ」と書いておこう、それだけではないだろうか。

かといって適当に書くのもよくない。知っている単語を繋ぎ合わせてもっともらしい文章を書くだけならば ChatGPTと一緒である。とにかくなんでもいいからアウトプットが大事というのは、やはり「自分」が先にたつ邪心がもとになっている。

仕事でもなんでもそうだが、「自分」が先に立つと難しいことがある。己を捨てて力を抜く、邪心を無くして自分のやるべきことをこなしていく。そのようにありたいものだが、意識してそのようにすることは難しい。「自分」は自然に意識せずとも感情や情動としてむくむくと湧き上がってくる。そして、「自分」を捨てようと意識した時点で「自分」が意識の前面に立っているからである。

いつの間にか夢中になって仕事をこなしている、我を忘れて遊んでいる。そのような意識と無意識が区別つかなくなった、そこに主客が一致した本来の自己があるのだろうか。


私達はどこから来てどこに行くのであろうか。


■ 火曜日は、朝一番に私がホストをする会議があって、メンバーがふらりと来てもいいように、会社の会議室を予約してある。だから火曜日の午前中から午後の2時くらいまでは川崎のラボに顔を出している。

25日火曜日の弁当は、タケノコご飯にした。前日の晩に仕込んでおいて、朝7時に炊きあがるように炊飯器をタイマー設定。ちょっと水加減が怪しかったけれどもうまく炊けた。上品な色と味でうまく出来たと思う。

2023/4/25 昼食 筍ご飯、鶏とほうれん草の地中海風、小松菜花、出汁巻き
この弁当の中で一番材料費が高いものは、なんだかわかるだろうか。
答えは注記 (*1)

伝えようとすることが伝わらないことを気にやむのは、伝えるべきことは伝わるべきだと思っているからだろうけど、やっぱりそこはKYでいくべきなのかもしれない、と認識の枠組みについて考えつつ、いつもの弁当を食べてざわつく心を静める。

弁当を作って整え、整った弁当を食べる。心も身体も整う。そのような枠組みが心の平安を保つには大事なのかもしれない。大事でないかもしれない。

2023/4/20 昼食 ジャガイモと鶏の地中海風、ホウレン草、スナップエンドウ、出汁巻き、しば漬けと雑穀入りご飯にふりかけ。

スナップエンドウはこの季節にはよく登場する。もうしばらく楽しめそうだ。先週の水曜日の夕食はドイツ風レンズマメのズッペ。付け合わせにスナップエンドウはちょっとドイツではないかもしれないが、まぁいいだろう。

2023/4/19 夕食 レンズマメのズッペ
やわらかく煮込んだレンズ豆はホクホク美味しい。ソーセージはシャウエッセン。

ちょっと目先を変えると普段の料理もだいぶん変わった一品に見える。先週はビリヤニを作った。インドやその周辺諸国でビリヤニは広く食べられているが地域によって材料や作り方、出来あがりの感じも、だいぶん違ったバリエーションがあるらしい。

私が作るのはちょっとなんちゃって感がある作り方だ。カリーは汁気がなくなる程度に水と材料の量を加減して作る。トマトやヨーグルトは控えめに使うか、場合によっては使わない。今回は使っていない。スパイスはシンプルなほうがいいように思う。バスマティライスを茹でてざっと湯を切ったあとに、作ったカリーをバサっと上から覆うように載せてかき混ぜずにそのまま蓋をして15分ほど蒸らす。

2023/4/21 ひき肉とジャガイモとほうれん草のビリヤニ
スパイスは、スターターにコリアンダーシードにクミンシード、メインはコリアンダーシードとクミンシードにターメリックと赤唐辛子をゴリゴリ挽いて、仕上げにちょいとガランマサラ。

盛り付ける際に、適度な色ムラができるように注意しながらざっと混ぜると、それらしく出来る。

普段、私がチキンカリーを作るときにはスパイスを混ぜ込んだヨーグルトに鶏肉をつけておいてそれを使うが、カリーにする変わりに串にさしてグリルでじっくりと焼くとタンドリーチキン風になる。パプリカなど赤いスパイスをたっぷりと使うともっと映えるように思うが、まぁいいだろう。

2023/4/23 夕食 スパイスを混ぜ込んだヨーグルトに漬けた鶏のモモ肉を串にさしてじっくりとグリルで焼いて、タンドールチキン風。
一番右の一串は玉ねぎのタンドールチキン風

タンドール窯はないから自ずと出来上がりには限界があるが、まぁ、事務所(単身赴任で住んでいるマンションの一室のこと、念のため)で作って楽しむには十分だ。


■先週にひっかかった音楽を少し。

1.西アフリカのマリ共和国のギタリスト、アリ・ファルカ・トゥーレの未発表アルバム "Voyageur" がリリースされた。1995年にロンドンでレコーディングされたものだということだ。どの曲もいいが、4, 5, 7曲目の3曲でマリの歌姫、ウム・サンガレの歌声も聞くことができる。

やっぱりアリ・ファルカ・トゥーレはしみじみいい。


2.女性のジャズ・ボーカルでまたまた魅力のある若手を見つけてしまった。というか、このあたりをよく聴いている人にはすでに有名だろう。ヴェロニカ・スウィフト (Veronica Swift)。

2019年のアルバム、Confessions。スイングするスタンダードなジャズのフォーマットに乗って自在なボーカルとスキャットを聴かせる。このころ25歳というが、声に歌いっぷりに、すでに堂々とベテラン歌手の貫禄がある。

つい最近のモンタレーのライブが動画で上がっていたので、少々長いが貼っておこう。

こちらは、スタンダードなジャズよりも、もっと R&Bとかソウルとか寄りだと思うけれども、コントロールがよく効いた力強い声とノリがいい。

社会問題・環境問題へのメッセージあふれるアルバム "This Bitter earth" を2022年にリリースしてこちらも話題性がある。 

サマラ・ジョイと同じく、若くしてすでに実力十分、これからなかなか楽しみなミュージシャンだ。

3.ロンドンのジャズシーンで活躍しているピアニスト、アルファ・ミスト (Alpha Mist)の新しいアルバム "Variables" なかなかいい。例えば1曲目 "Foreword"、フロントのそれぞれのミュージシャンが少し孤独な不安感を感じさせる疾走感あふれる演奏で聞きごたえがある。他の曲もヒップホップやボーカルのナンバーもあり、バラエティに富んだ粒ぞろいの曲が揃っていると思う。


4.イラク出身のノヴァ・エマド。2017年にデビュー、まだアルバムは1枚だという、まだ若手の女性ボーカルだ。新しいシングル 'Shogi"がなかなかよかった。

フェイルーズに通じる良さがあると思う。歌声に深みがあってビブラートもいい。フェイルーズやウムクルスームなどが好きな方にはとてもおススメだ。

どんな人だろう、と調べてみるといくらか記事が見つかった。

バスラ生まれ、20代後半らしい。1960-1980年に「イラクの暖かい声」として名を馳せた Seta Hagopian の子として生まれたが、湾岸戦争などもあり今はカナダに住んでいるとのことだ。

Seta Hagopian も Spotify で聞くことができる。やはり豊かな声で、音域は少し高めかもしれない、魅力ある歌声だ。

私は知らなかったのだが、アラブ歌謡をよく知っている人にはすでに馴染み深い歌手かもしれない。

5.インドの古典音楽のサロッドという楽器の奏者、アムジャッド・アリ・カーン、タブラのザキール・フセインとの新しいシングルが耳にとまった。タイトルが、 "Music for Healthy Brain" ということで心休まる楽曲だ。

サロード - Wikipedia

シタールと同じ北インドの楽器だが、シタールと違ってフレットを持たず、シタールよりも大きく煌びやかな音がするということだ。


6.インドネシアの歌姫、ヘティ・クース・エンダンのポップ・クロンチョンのベスト盤だろうかアルバムが出ていた。ゆったりと身を任せることができる楽曲と歌声だ。やはりアジアの歌謡はいい。



■先週末もあまりいい天気ではなかったけれども、幸い雨にはならず、ジョギングは新横浜で、いつもの 13.8km。 

2023/4/22 jogging 鴨居 Panasonic 佐江戸南地区 せせらぎ水辺
2023/4/22 jogging 鴨居 Panasonic 佐江戸南地区 せせらぎ水辺
2023/4/22 190.4km 計画比 97.6% 今年の目標は640km ほぼ計画どおり。


先週、会社のネットワークの一部で障害があった。実害はほとんどなかったものの、動くべきものが動かないのは気に障るので、チケットを切っておいた。

すると、インドに拠点を構える IT Service から日曜日の夕方だというのに、「Hi, Shimamura, 先週のチケットは対処できた、もう問題ないはず。」と連絡があり、畳みかけるように「チケットクローズするし、よろしくね。」と連絡が来た。

"OK, Thank you!"
"Anytime, have a nice day!"

去年の秋だったか、別件の問題でチケットを上げたときも、「情報が足りないから対処できない、gentle reminder、問題のサイトのアドレスを教えてくれ」と日曜日に一方的に通告が来た。そのときは気が付かなかったので反応できなかった。そうしたら直ってもいないのに日曜日のうちに強制的にクローズされた。

今回は問題はちゃんと直っていたからよかったけれども、やはり、早期のチケットクローズを目指して、こちらが反応しない日曜日を狙っているんだろうか。そんなインドの仕事術なのだろうか。どうも怪しい。

そういえば、インドの人口はそろそろ中国の人口を超えるそうだ。およそ14億人。




■注記

(*1) 答えは木の芽。

木の芽なんて山椒の木を栽培すれば採りたい放題ではないか、と言われそうだが、毎年、スーパーで高いのを歯を食いしばって買っている。


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