火曜日しばらく雑記帳・2024 CW06
2月3日は節分、京都の吉田神社では節分祭が盛大に催される。この何年か都合がつかなくて行けなかったのだが、今年は久しぶりに行ってみよう、と夕方から妻と行ってきた。自宅から歩いて行ける距離である。
東一条通りというのは、鴨川の東岸・川端通から東に延び東大路と交差し、京大の吉田キャンパスの本部と吉田南との間を突き抜けていく通りだ。その東一条通りの東のどんつき、こんもりとした丘に鎮座するのが吉田神社だ。節分祭のときはその通りにずらっと屋台が並び、多くの人が訪れる。
中国やアジアの多くの国で、旧暦の正月である春節を祝うが、同様に、太陽暦の2月3日に固定された節分の日をもって大晦日・新年を迎える日とし祝うのが節分祭となる。だから、今年は見なかったが、つい数年前までは年越しそばの屋台も出ていた。
ぎっしりと並ぶ屋台は、はし巻き、大分・中津から揚げ、肉巻きおにぎり、牛肉串、小籠包、といったところが何軒もあって幅を利かせている。焼きそば、タコ焼きの他、出町の鯛焼き、どて焼き、鮎の塩焼き、串揚げ、じゃがバター、鈴カステラ、太鼓饅頭(今川焼)、ベーコンエッグ鯛焼きなど、昔からのお馴染みのお店も健在だった。
鳥居をくぐって石段をあがっていくと本宮があり、ここでまずお参りをする。本宮に向って左手の建物には、眩い照明に照らされて、ずらっとくじ引きの景品が並べてある。結構な金額のものから小さなものまで様々な景品が地元の会社などから提供されている。車のディーラーから乗用車も出ていた。(節分祭 厄除け福豆賞品協賛商社-吉田神社 (yoshidajinja.com))社務所で売っているくじ付きの福豆を買うと抽選で景品がもらえるというわけだ。
細い坂道をさらに上に上がっていくと八百万の神を祭るという大元宮に着く。普段はひっそりとしているこの坂道にも屋台が並び賑やかだ。
大元宮の手前に、享保11年(1726年)創業という地元の松井酒造が屋台を出している。
にごり酒、しぼりたて、限定の「吉田山」、樽からひしゃくでついでくれる。コップか、木製の升を選べる。毎年の楽しみだ。ここでにごり酒を一杯。
節分では鰯を食べるのが習慣だ。以前は松井酒造の向かいに鰯を売っている店が出て、ちぎった鰯を七輪で焼いていて試食として供していた。しんしんと底冷えする中、それをもらってつまみながら一杯飲むのがよかった。今年は鰯を売っている店が見当たらず、そんな楽しみが無くなったのがちと寂しい。
やはり2月3日で年越しというのに違和感を感じる人が少なからずいるせいだろうか、年越し蕎麦が無くなっていたのが残念だ。前は、あのくらいの蕎麦で結構な値段をとる、といって文句言っていたが、無くなってしまうとやはり寂しいものだ。
夜遅くに火炉祭というのが行われる。捨てるとバチがあたりそうな古いお札やお守りを本社の三ノ鳥居前に設置された火炉に収めることができる。23時くらいからだったか、これに点火して盛大に燃やすのだ。それがクライマックスで身動きがとれないくらいに人が集まる。今年は見なかったが、一度だけ晩遅くまで残って見たことがある。
本宮でおみくじを引いた。二人とも吉だった。だからといって慢心して調子に乗って失敗しないように気を付けなければならない。
この記事をここまで読み、このおみくじの写真を見たみなさんには吉がおすそ分けされることだろう。
■ほうれん草は冬が季節だ。そして、ちぢみほうれん草が手頃な価格で出回る。先週はほうれん草とジャガイモのカリーを作った。切れの悪い包丁でほうれん草を刻むのは少々時間がかかるが、有限の時間で終わるので苦にはならない。
フードプロセッサーかブレンダーかそういったものを買えば楽なのだろうが、単身赴任の身であまりモノは増やしたくはない。といいつつ、単身赴任生活もだいぶん長くなった。
バスマティライスは紅くるり大根と炊いてほんのりピンク色が私の冬の定番、生の赤唐辛子を添えてアクセントにした。
中近東・中央アジア風のピラフはよく作るレパートリーとなった。鍋一つで簡単に短時間でできるし、炊いて蒸らす時間に他のことができるので、段取りもいい。そしてなにより美味しい。
先週の一皿は以下のような作り方だ。
オリーブオイルでクミンシードとニンニクを熱して香りを出し、微塵切りの玉ねぎと人参と炒め、インゲンとラム肉を投入して火を入れる。バスマティライスと舞茸を上から投入し、水を加えて煮立たせて蓋をして炊く。一人分(米:半合、水:1合)なら7分ほど。頃合いを見計らって火を引いて15分ほど蒸らせば出来上がり。塩と、お好みでスープストックやブイヨン、出汁を入れるとよい。
木曜日は、早朝に仕事をざっとすませておいて年次休暇扱い。ちょいと急な用事があったので午前中に町田の父母を訪ねてきた。年寄りは大切に、フットワークは軽く、掛け声はワーク・ライフ・インテグレーション。
その日の晩は見た目ドイツ風、キャベツとソーセージのズッペ。
ブイヨンや出汁やスパイスやハーブもオイルもなし、塩だけで調味して、キャベツと人参と玉ねぎにベーコンを炊いただけの甘みで優しい味、ソーセージは最後にキャベツの上で蒸すように加熱して仕上げて美味くできた。
寒いと水餃子が食べたくなる。酸菜を買ってあったので、刻んで豚のひき肉と混ぜて適当に調味。小麦粉をこねて寝かしてこねて伸ばして自家製の皮、不格好で不揃いだが、餡を包んで茹でれば、もちもちつるつるで具合がいい。
やはり餃子は酸菜がいい。柔らかくてしっかりとした旨味もいい。今回は五香粉を加えたのもよかった。
タレは、醤油に鎮江香酢とSBの辣油。鎮江香酢は、久々に使ってしみじみ美味い。
相変わらず余裕がなく、先週は一日だけラボに顔を出した。
■先週にひっかかった音楽を少し
1.レバノンの歌姫、タリア・ラフード。新しいシングル "El Khayer El Tani" がリリースされた。
Chat GPT4 によれば、「"El Khayer El Tani" というフレーズはアラビア語で、「الخير الثاني」に相当します。これを直訳すると「二番目の善」または「次の善」のような意味になります。」ということだ。
2.レバノンの歌姫といえば、ナンシー・アジュラム。ポップな音作りもいいし、この人の声は明るくて素敵な笑顔が目の前に浮かんでくる。そして、こぶし回しがクセになる。
半年近く前にリリースされたシングル "Tegy Nenbeset" が軽い仕上がりでいい感じで、YouTubeの再生回数も3274万回弱 (224/2/6現在)なので、かなりヒットしているようだ。
3.レバノンからもう一人、Elissa エリッサの新しいシングル "Kello Wahem" ・・・またChat GPT4の力を借りると「アラビア語で "Kello Wahem" (كله وهم) は「すべて幻想だ」または「全てが虚構だ」という意味になります。」とのことだ。
4.イギリスのシンガー・ソングライターでマルチプレイヤーにしてプロデューサー、ジェイコブ・コリアー (Jacob Collier) の去年のシングル "Witness Me" をアメリカのシンガー・ソングライター、トリー・ケリーと共演したTVでのライブだろうか、YouTubeにあがっていた。
5.グラミー賞では、テイラー・スウィフトの話題が目につくが、BEST GLOBAL MUSIC ALBUM でシャクティ、TRADITIONAL POP VOCAL でレイヴェイが受賞、BEST JAZZ PERFORMANCE でサマラ・ジョイ、ジェイコブ・コリアーもBEST ARRANGEMENT, INSTRUMENTS AND VOCALSの受賞者の一人に入っていて、今年も私の贔屓のミュージシャンが受賞していた。
そして、ジョニ・ミッチェルが "Joni Mitchell At Newport [Live]" で BEST FOLK ALBUM を受賞していた。
■金曜日も深夜までヨーロッパとの絡みがあったので、土曜日の朝一番、6:03 新横浜始発の最速達のぞみ491号で自宅に帰った。
自宅のリビングに8時半に入れる。午前中にジョギングに行ってきた。いつもの15.2kmのコースだ。雲が少し出ていたが、走っているうちに綺麗に晴れてきた。
節分といえば豆まきだ。毎年、妻が生協で「鬼ぱっくん」を買ってくれる。三角錐の個包装でかわいらしい。このパックのまま投げれば豆が散らかることはなく、そして美味しく食べられるというわけだ。
■ようやく白川雅こと、ローローさんの著作、エジプトの輪舞、上下2巻を読み終えた。実に面白かった。
1900年代の激動の近代エジプトを舞台に、史実とフィクションをうまくブレンドし、エジプト最後の王ファルークの人生を軸にいくつかのサブストーリーを絡めながら語られる、まさに歴史ロマン小説というにふさわしい小説だ。
読めば、まず、登場人物一人ひとりに感情移入してしまうだろう。私は特に、ファルークの最初の妃、ファリダに惚れてしまった。
ヨランダって誰だ(だりだ)?っていうような楽しみもあり、散りばめられる盛沢山のエピソードも含め、全編、ローロー節がファンにはたまらない。
近々、感想を書いて投稿する予定である。
それと、日本語の本をもう一冊、読了した。
著者のダニー・ネフセタイは、イスラエルで生まれ育ち、今は日本(秩父)で家具を作って販売している方で、戦争反対、九条を守ろう、原発反対、で活動している。あくまでもこの方の目を通してだが、イスラエルの教育や社会の様子、国民のメンタリティ、そして、自身がイスラエルを単純に信じていたところから考え方を変えて行った経緯など、中から見た景色が見えるのが興味深い。
こちらも感想文を投稿する予定だ。たぶん今月後半になるだろう。
「理想だと認めるのなら、理想のために愚直であっても何らかの努力をすべきではないですか。」ダニー・ネフセタイ; 永尾俊彦. イスラエル軍元兵士が語る非戦論 (集英社新書)
戦争反対に理屈はいらないはずである。
恒久的即時停戦を求めるものである。
世界中の紛争が解決しますように。