火曜日しばらく雑記帳・2024 CW44
タコの価格が高騰しているという。マグロよりも高くなったということだ。要因は、円安、輸送費高騰、世界でタコを食べる人が増え日本が買い負けしている、ということで「世界で引っ張りだこ」としゃれているのが日経の記事だ。
庶民の味、関西のソウルフード、タコ焼きが食べられなくなるかも、という。一家に一台、タコ焼き機。
私は神奈川県川崎市出身の東男なので、たこ焼きは上野の屋台で出ていたものしか知らなかった。だから大学で京都に来るまで、こんなにもたこ焼きがポピュラーだとは知らなかったが、その後、京都の自宅にはちゃんとたこ焼き機があって娘が小さいころは何度かたこ焼きを作って食べたものだ。
大阪の庶民の味、というと「あぁ、瀬戸内海では蛸がとれるものなぁ」と思うかもしれないが、実際は輸入ものがほとんどでモーリタニアやモロッコ産のタコが主流なのだ。一時期、彼の地のタコが採りつくされて規制がかかり価格が上がったと記憶している。大阪の人たちがアフリカの大西洋岸のタコを食べつくしているというわけだ。
タコは気味悪がって食べない地域も多いが、最近は広がって来たようだ。ヨーロッパでもイタリアやスペインなど普通にタコは食べていると思うし、寿司や刺身が広がるようにタコを食べる人口が増えるのは自然なことだろう。
一方で、タコは知性を持っているから養殖してはいけない、という動きもある、と最近ニュースになっていた。
「知的な生物」米カリフォルニア州でタコ養殖禁止法が成立「社会的な絆を大切にする」 - 産経ニュース (2024/10/3 18:28)
タコが、人間とは大きく異なる神経組織と神経の構造を持っていながら、高度な知性を持っているらしいことは広く知られているところである。
いずれの日か、クジラと同じように食べることも許されないことになるかもしれない。
■しかし、植物だって心がないとは言えまい。植物も私たちと同じ構造の細胞で構成された多細胞生物であり私達の同胞だ。...などと説教くさいことをクドクド言ってもしょうがないし「だから何?」と問われても答えがないのでこのくらいにして、先週食べたものを少し。
ブリの旬に入ってきたようだ。綺麗で大きな切り身が手頃な値段で売っていたので照り焼きにした。
照り焼きを作るときの一般的な黄金比は、醤油:みりん:酒:砂糖を大さじで 2 : 2 : 2 : 1 だという。私にはこれだと甘すぎるので、砂糖を省略して 醤油:みりん:酒を 2 : 2 : 2 とする。みりんは本みりん、酒は調理酒、実際にはそれほどこだわりはないが、照り焼きに限らず、巷のレシピは私には甘すぎるので大抵、砂糖や、この何年か流行りのハチミツは省略している。
豚のスペアリブがあったので、カリーにした。
大きめのスペアリブを4本、1時間半じっくりと茹でて作る。骨からスルリと抜けてほろほろに柔らかく、これは美味い。
バスマティライスは紅芯大根と一緒に炊いた。紅芯大根は今シーズンの最初となる。
スパイスは、スターターにマスタードシード、メインはコリアンダーシード、クミンシード、フェヌグリークシード、クローブ、オールスパイス、シナモン、ターメリック、赤唐辛子。
仕上げにちょびっとトリニダード・スコーピオン・ブッチテイラーを入れてけっこう辛口。
牛のスジ肉で和風の汁おかず。
「しろな」という菜っ葉があって今頃から広く出回る。京都のスーパーでは普通に売っている。自然な甘みがあってクセがなく柔らかく美味しい。カツオ出汁と昆布出汁でスジ肉としろなを炊いて醤油とみりんとお酒で調味する。にんにくのみじん切りを加えるとスジ肉の脂と相まって味に厚みが出て美味い。
同様に壬生菜と鶏の炊いたの。鶏は胸肉を使って、こちらはあっさりとした仕上がりだ。
カブや大根の間引いたものが出回る。珍しいものだと、すぐきを間引いた「すぐき菜」が美味いが、出回るのはほんの一瞬なので逃してしまうことが多い。赤カブを間引いた「カブ菜」があったのでこれをさっと茹でて胡麻和えにした。
そうそう、レンコンも美味い。
■先週にひっかかった音楽を少し。
1.なんの予告もなく、ポール・サイモンが新しいシングル "Bad Dream" をリリースした。パートナーのエディ・ブリケルとの共演だ。10年以上、長年あたためてきた企画らしい。
ポール・サイモンのギターの上に二人のボーカルがメインのシンプルな構成で “It’s a dream / I’m wondering, where is the country I promised my children?” と歌って終わる詩はアメリカ社会へ向けてのメッセージを感じさせる。
https://americansongwriter.com/listen-to-paul-simons-new-duet-with-wife-edie-brickell-bad-dream/
これからシングルがポツポツとリリースされるのだろうか。楽しみだ。
ところで、ポール・サイモンは左耳が聞こえなくなったと、去年か今年に入ってからか何かで聞いて知ってはいた。インタビューの動画があったので備忘録としてここに貼っておこう。
2.ブラジルのベーシスト Jorge Helder (ジョルジ・エルデル)の "Samba E Amor"が耳に飛び込んできた。太くて暖かいベースの音もさることながら女性ボーカルが魅力的、これは大好きなヴァネッサ・モレーノだった。
"Samba E Amor"(サンバと恋)はシコ・ブアルキの曲で、このシコ・ブアルキの曲を演奏したアルバムのタイトル・トラックだ。
メローなギター演奏もいいし、キーボートも華麗で達者、しかもほどよく抑制の効いた大人の演奏で心地よく聴ける。8曲入りで30分弱、聴くべし。
ヴァネッサ・モレーノは本当にいい。
3.アルバ・アルメンゴウのトリオのスタジオライブがYouTubeに上がっていた。ギターはいつものVicente López、パーカッションが Tramel Levalle、この演奏はまた素晴らしい。是非視聴してほしい。
ますます惚れてしまった。
このトリオの最新アルバムはこちら。
4.トルコの女性ボーカル、エダ・ババの新しいシングル "Güneş Daha Güzel Doğacak" (「太陽はもっと美しく昇るだろう」ChatGPT-4訳)がこれまた美しくよかった。
今年に入って3枚目のシングル、それぞれ哀愁がこもったいい歌ばかりだ。
5.スガシカオのアルバム "Acoustic Soul 2014-2024"
御本人の紹介が Facebook のオフィシャルにアップされているのでこちらをどうぞ。
なかなかよいですぞ。
■今週末も京都に帰っていた。世にいう三連休だったわけだが、土曜日に娘と孫娘が帰ってきて、しっちゃかめっちゃか余裕なく、月曜日の朝にジョギングに出た。洛北を走るいつものコースを 13.9km さわやかな素晴らしい天気の朝で気持ちよい。
先週末の大雨がすぎて、またひとつ秋が深まって来た。
季節は巡る。