【読書】蛭子能収『蛭子の論語 自由に生きるためのヒント』
どういうわけか母がどうしても読みたいと言って買い、読み終えてからこちらに回してきました。そうでなければ自分では読む機会を持たなかったと思います。
矛盾や誤解など、突っ込みどころ満載。物事を俯瞰で見ようとか、論理の整合性を保とうとか、そういうことを一切気にかけていないように見えます。蛭子さんご自身が「ただ思いつくままに書きなぐった」と言っているのだから、読者が文句を言う筋合いではないのかもしれません。
ところが読み終えてみると、中に一本、しっかりとした筋が通っています。
蛭子さんの最大の武器は、慣例にも、読者にも、孔子様にも一切おもねらないという潔さ。そんな強さが本書の中でしばしばハッとさせる言葉となって現れます。
なんだか客観性だの一貫性だのといった事がらが小人のたわごとに思えてきました。
(2016/3/23 記、2024/10/20 改稿)
蛭子能収『蛭子の論語 自由に生きるためのヒント』角川書店(2015/11/10)
ISBN-10 4040820363
ISBN-13 978-4040820361