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syozopanda
【読書】小手鞠るい『ある晴れた夏の朝』
(この読書メモは、2020年5月に書いたものです)
登場人物は、アメリカの高校生8人。広島・長崎への原爆投下の是非を問うディベートを描いた物語です。さまざまな人種や立場からの意見、それを支える史実の調査、主張や反論の戦術にも触れていて、興味深く読みました。
2019年 青少年読書感想文全国コンクール「課題図書」(中学校の部)です。ストーリーとしてはやや出来過ぎな感じもしますが、途中の展開にはいくつか驚きもありました。作者の小手毬るいさんは日本の方ですが、1992年以降はアメリカに移住しているそうで、読んでいて、なるほどこれが多民族国家が尊ぶディベートの文化か……と思わせてくれます。終盤で、英語圏の人たちがもしかしたら理解しづらいかもしれない、日本語が前提としているコンテクストみたいなところに着目しているのも面白かった。
第68回小学館児童出版文化賞 受賞作品でもあるそうです。なんでその広告が自分のFacebookに出てきたのか分かりませんが、まんまと引っかかってるってことは、同社のターゲティングもなかなか侮れません。まあ、自分というよりは、中学生になった下の娘と、大学で国際文化交流学科にいる上の娘に薦めてみようと思ったからですが。
読むかなあ。最近、ネットゲームばっかりやってるからなあ。
(2020/5/24 記、2025/2/11 改稿)
小手鞠るい『ある晴れた夏の朝』偕成社 (2018/7/13)
ISBN-10 4036432001
ISBN-13 978-4036432004