【読書】クリストファー・マクドゥーガル『BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族"』
年末のハシゴ出張から帰ると、妻が熱を出して寝込んでいました。子供たちも順番に体調を崩し、年始にかけて毎日のように市内各所の救急病院に通ったあげく、最後には自分も発熱してダウン。年末年始の予定はすべてキャンセル。まったく走れてもいないまま、仕事始めとなります。やれやれ。
せっかくの休暇を無為に過ごし、すっかり気持ちが荒んでいたのですが、病床で読んだこの本の読後感の爽やかさにだいぶん救われました。
副題に「ウルトランナーVS人類最強の”走る民族”」とあります。おおかたそのどちらかが"走るために生まれた"のだろうと思って読み始めましたが、この本の主題はもっとスケールが大きい。
長い距離を走るのが好きな方には、おすすめです。“走るために生まれた”のがいったい誰であるのか気づくとき、たとえインフルエンザで正月を台無しにしようとも、ぼくらはもう一度前を向くことができる。
ブルース・チャトウィンが直感的に理解し、追求し続けたテーマの解のひとつが、ひょっとするとここにあるかもしれません。
(2017/1/10 記、2023/12/15 改稿)
クリストファー・マクドゥーガル『BORN TO RUN 走るために生まれた ウルトラランナーVS人類最強の“走る民族"』NHK出版(2010/2/25)
ISBN-10 4140814144
ISBN-13 978-4140814147