見出し画像

【読書】猪熊隆之『山岳気象大全』

トレイルランニングでしばしば山に入るようになり、安全のために、登山の基礎について勉強中。この本は山関係の某サイトで推奨書籍に挙がっていたものです。

前半部分では、雲形と観天望気、天気図、気圧、前線といった気象のいろは、高層天気図や衛星画像の見方まで解説。後半「四季の山岳気象」、「山域別の気象」では、日本の四季における気象条件と、それらが山岳地帯で引き起こす気象現象について詳述します。

自分は神奈川県の北部に住んでいますが、南西に見える丹沢山の向こう側だけに雲が湧いたり、近所の里山から見て相模野台地が雲海に沈んでいたりといった光景をしばしば見ます。この本を読んで、これらの現象がどんなときに起こるのか少しわかった気がしました。今後は気になる現象を見たら天気図と照合して、以後予測できるようにしてみたい。

ところで自分にとって天気図はぜんぜん馴染みのないものでもなく、以前は週末ともなると気圧配置が気になったものでした。若いころにやっていたウインドサーフィンのためです。

温帯低気圧が発達しながら日本海に入ると南が吹く──
西高東低の冬型が決まると大西(西の強風)──

どちらもウインドサーファーならおそらくみんなが心待ちにしている気圧配置です。ついでに言うと南海上から近づく台風にもちょっとワクワクしたりしました(こちらはまともに乗れた試しがありませんが)。

一方、これらの気圧配置は山では行動不能のリスクを意味するわけで、山登りの人は蛇蝎のごとく嫌うようです。このあたりの扱いの違いもちょっとおもしろかった。

立場が変われば天気図の見方も変わるというわけですな。

(2018/11/22 記、2025/1/3 改稿)


猪熊隆之『山岳気象大全(山岳大全シリーズ)』山と渓谷社(2011/5/18)
ISBN-10 ‎4635210030
ISBN-13 ‎978-4635210034

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集