
【読書】瀬古利彦『瀬古利彦のすべてのランナーに伝えたいこと』
青梅市総合体育館での青梅マラソン前日受け付け後、サイン販売会にて購入。たとえミーハーと言われようが、瀬古さんのサインは欲しいよ。ぼくだってランナーの端くれなんだから。
(この読書メモは、2016年3月に書いたものです)
瀬古さんの回想やマラソンに対する想いが、飾らない文章でつづられています。同じマラソンをテーマにしていても金哲彦さんの本とは印象も魅力も用途も異なる感じがしました。金さんはマラソンを仕事であり、生涯の目標としてとらえている。瀬古さんはマラソンを仕事であり、人生としてとらえている。そんな気がします。
全盛期にそれこそ無敵の強さを誇りながら、国際政治がらみもあってオリンピックで結果を残せなかったことには、運命の皮肉を感じずにいられません。しかし、それが瀬古さんの人柄に、あるいは文章に、強さや厳しさだけではない何かを添えているように思います。
── マラソンは生活を律して練習を積み重ねていけば、必ず走れるようになる。これはトップランナーも市民ランナーも同じことだと思う。根性を語る前に、必要なことを自分で決め、それを守り通す。それが強いマラソン選手の本質である。(『瀬古利彦のすべてのランナーに伝えたいこと』P19)
効くなあ。王者の言葉は静かで重い。
(2016/3/1 記、2024/10/20 改稿)
瀬古利彦『瀬古利彦のすべてのランナーに伝えたいこと』KADOKAWA(2015/11/13)
ISBN-10 4046011971
ISBN-13 978-4046011978