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週末は木立の中へ引っ越し 9 非住宅地に住まうと言うこと(その3)

非住宅地に住まうということ(その3)

・下水が、...。
水道(井戸)、電気もなんとかなったよ、やれやれ。あとはなんだろう?
そーでした、下水をどうするかでした。当然のことながら非住宅地だから下水道なんてないんです。「浄化槽入れりゃいいことやん!」とどっからか聞こえて来そうですが、ほんとーにそれで済むんでしょうか...。案の定、一番厄介でした。

浄化能力の高い浄化槽を入れて浄化すれば良い、と私もそう思ってました。ところがそうはいかないんです。その地域地域毎に設置できる浄化槽が決まっていて、選べないんです。認定制度らしいです。メンテナンスフリーに近い最新型の浄化槽にしようと思っていたんですが、それが認定されていない。なので設置できない。お金を出すのはこちらなのに選べないんです。なんだかなぁ〜と思いつつ、どーにもならんので認定浄化槽にしました。浄化能力は十分です。
設置補助金が出ると聴いていたので書面も用意し提出しました。が、素直に出ないんです。
認定浄化槽入れました、申請書提出しました。何故?
住んでないゴニョゴニョ...。
あ、そう、じゃあ、それを最初に言ってよ、住んでなけりゃ垂れ流しでもいいわけ?それがわかってたら浄化槽入れないし申請書も作りませんでした。と窓口に伝えました。そうしたら補助金出ました。あのさぁ、住んでなくても固定資産税は払っているんだからさぁ、ねぇ。

ま、気を取り直して業者さんと設置工事の打ち合わせをしました。通常、浄化槽で綺麗になった排水は道路の両端にある排水路に流します。がここは非住宅地。道路はありますが砂利道で排水路未設置。なので「蒸発散装置」なるものを設置と相成りました。穴の空いた塩ビ菅を埋めます。そこに排水を流します。その塩ビ管の上を芝生で覆います。芝生の成長作用と土への浸透、芝生面からの蒸発で排水は消失、という装置だそうです。見た目も芝生で綺麗。環境負荷も無さそうです。

芝生も青々と茂りしばらくの間、何事もなく過ごしていました。とある日、集中豪雨のような雨が降りました。あたり一面水浸しです。そうしたら、トイレの水が流れないんです。なんだかよくわかりません。困って業者さんに連絡しました。
「雨水が引けば流れるから」
との事でした。要は「蒸発散装置」が集中豪雨で水没したので排水が行き場を失い流れが滞ったためだそうです。
その後たびたびその現象に見舞われました。いささか困ったなと思い、再度業者さんに連絡して対処方法はないかと相談しました。結果としては「蒸発散装置」の末端部分を切り開き、穴を掘って枡を作りそこに流れていくようにする、というものでした。ショベルカーで2〜3畳分の広さ、深さ1.5mの排水枡を掘ってもらいました。

順調でした。もう心配はいらないと思ってました。超大型台風が来るまでは...。

各地で土砂災害を起こした超大型台風、当地にもあらん限りの雨を降らせました。
気づいたら、排水枡が流れ込んだ雨水で満杯でした。嫌な予感。案の定、トイレ流れません。浄化槽の蓋開けてみたら満杯状態。どうやら排水枡から逆流してるようです。泥が流れ込んで浄化槽に溜まると厄介です。あわてて排水枡の雨水をバケツで掻き出しました。が、流入量が遥かにうわまり、25mプールの水をティースプーンで掬っているようなものです。

「排水ポンプしかない!」
急遽雨の中、ホームセンターに駆け込みました。近所のホームセンターは小型店なので大型店まで足を伸ばしました。大型店だけあってだたっぴろくどこに何があるんだかわかりません。探している間にも浄化槽に泥が逆流していく...。
店員さんを探し出し排水ポンプのありかを教えてもらいました。あとはホースとポンプを引き上げる時用のロープと...、と探していると排水ポンプのアドバイザリースタッフの方と会いました。
状況を説明すると、ポンプ、ホース、ロープの他、直接排水枡にポンプを入れるとポンプが詰まるので、野菜収穫用カーゴに入れて沈めた方が良い、ポンプとホースを止めるバンドは二重にしないと外れる恐れあり、と実践的なアドバイスをいただき瞬時に揃えていただきました。お礼を申し上げたあとそれらを車に放り込み現場に直行!
ポンプ、ホース結節OK、ポンプ、延長コンセント接続OK、ポンプ、野菜収穫用カーゴロープ結び及び収納OK、でそろりそろりと排水枡に沈めてポンプ電源ON!
20m離れたホースの口より勢いよく水が出てゆく。それに合わせて排水枡の水位が見る間に下がってゆく。トイレの水が滞りなく流れる。やったー!!
下水が流れる。ただそれだけのことがこんなにも達成感のあることとは思いもしませんでした。
それと、まさか排水ポンプまで揃えることになるとは思いもしませんでした。
あ〜、やれやれ。


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