週末は木立の中へ引っ越し 7 非住宅地に住まうということ(その1)
優雅な田舎暮らし?
リモートワークが拡がっている昨今、ウィークデイも都会から離れて生活して仕事したいと思っている方もおられるでしょう。地方都市の住宅地、里山の集落、高度が高くなく冬寒くない別荘地、いろんな選択肢があると思います。なんかのんびりできそうで憧れてました。コーヒーを淹れて景色を眺めながら車の音に悩まされることなくゆったりと過ごす。お金がなくてもそんなふうにできたらいいなぁと思いませんか?私も最初はそう思っていたのですが、気がついたら非住宅地に手を出してました。
非住宅地に住まうということ(その1)
地方都市の住宅地、里山の集落、高度が高くなく冬寒くない別荘地等、人が住んでいる、利用している場所と、非住宅地との違いは、金銭的には土地代がグッとお安くなり、手が届くようになります。でもね、安いのにはワケがあるんです!このあとが大変なんです。
・まずは伐開から始まる
住宅地は整地されていて綺麗ですよね。多少草が生えているかもしれませんが、ササッと刈るなり、管理会社に依頼するなり、地元のシルバー人材センターに依頼すれば綺麗になります。でも、非住宅地、地目でいうと森林、原野、雑種地あたりはそうはいかないんです、あぁ!。
鬱蒼と茂った木々、密生した篠竹、生え放題の雑草、それに覆い被さる蔓草。これをまず取っ払わないと満足に土地に踏み込めません。残したい木々には印をつけておいて、まずは伐開して地面を陽のもとにさらしてやらないとなんにも始められないんです、あぁ!。
木を切り倒すことなんて都会に住んでいるとそんな経験無いですよね。そんな事もあろうかと、都会近くの森林公園のボランティアをやってその講習で木の伐採のやり方を体験してきました。講習はいくつか分かれていて、杭打ちとか、山野草育成、草刈り実習、筍収穫とかいろいろありました。そのなかでダントツに人気があったのは、木の伐採、でした。男性ばかりと思っていたら女性の方も多数参加されていました。ま、素人の伐採ですからひと抱えもあるような、そう、林業のような木は危なくて出来ません。手首の半分ほどの太さに育った雑木を植生に合わせて間引くため鋸を使って伐採するという作業です。皆さん興味津々で参加されているので思った方向に切り倒すことができると「わぁ〜!」と歓声が上がります。でもね、それはさつまいもの芋掘り体験と同じで怪我なくうまくできるよう予め下準備がされているようでしたね。
そんな下準備などあろうはずがない荒れ放題の土地。斧もない、チェーンソーもない、草刈り機もない、それらを仕舞っておく物置小屋など尚更無い、無い無い尽くしの状況に置かれ途方に暮れました。売主の方がみかねて伐開をして下さいました。助かりましたね、本当に!感謝しかありません。伐採した木など薪に使えるなぁと思っていたのですが、私がチェーンソーも持っていない、当然使った経験もないことを知って、「素人には手に負えないよ」と邪魔になるからと穴を掘ってそこに放り込み生木なのに燃やして埋めてしまいました。なんか原野開拓そのものの光景が広がっていました。
・水道が来てない!
当たり前なんですけど、そんなところに水道なんて来ているはずもありません。水道がなければ住めるわけないでしょ!とお思いでしょうが無いんだからなんとかしなくちゃならない。で、こりゃぁ井戸を掘るか!となったわけです。が、どこに掘ったらいいのか皆目わからない、自分で掘れるのかも皆目わからない、とわからないだらけです。
地元の不動産屋さんから紹介してもらった井戸屋さん(さく泉業者さん)に掘ってもらうことにしました。で、その業者さんから、
「どこに掘りますか?」
と尋ねられちゃった!「あのぅ、それがわからないからお願いしたんですけどぉ...。」と思いつつ不動産屋さんの顔を潰しちゃいけないと気を遣ってですね、それとな〜く不動産屋さんに井戸の掘り方を尋ねました私!
勘の鋭い不動産屋さんで良かった!察してくれて井戸屋さんに「ご指導」となり、とまぁ「専門業者なんだから最適解を提示しなさいな!人が踏み込まない、建物より上流部のところがいいでしょ!」と解答まで指南して下さいました。ありがたいです、本当に!
掘っているその場には立ち会えなかったのですが、
「30m掘ったら水が出た!ただもう少し掘らせて欲しい。」
との事だったので、まぁいいかと。料金的にも全国平均よりもお安かったのでお任せしました。そうしたら、
「60mでいい水が出た!!」
との吉報が飛び込んできました。後から聞いた話ですが土地によってはどんなに深く掘っても茶色い水しか出ないところもあるようです。ラッキー!!
保健所の水質検査も無事合格!あぁやっとこさこれで水が飲める、ふぅ...。
話はまだまだ続きますのでこの先は、
『非住宅地に住まうということ その2』に続きます。