100年の孤独/放哉に想う〈Vol.4〉「犬の尾と猫の眼」にみる詩情のうらはら
犬と猫
尾崎放哉全句集のなかで「猫」の音から始まる句は七句あります。それに対して「犬」は17句です。同句集85頁に「犬よちぎれる程尾をふつてくれる」で表現されているように、そのまなざしには犬への好意が感じられます。 一方、猫はと言いますと、同294頁に「猫の眼がきらひだ」と直截的に表現されています。孤独を愛した『詩人』放哉は、なぜ人の愛情を欲するしぐさを常とする犬にひかれたのでしょう。
尾崎放哉全句集のなかで「猫」の音から始まる句は七句あります。それに対して「犬」は17句です。同句集85頁に「犬よちぎれる程尾をふつてくれる」で表現されているように、そのまなざしには犬への好意が感じられます。 一方、猫はと言いますと、同294頁に「猫の眼がきらひだ」と直截的に表現されています。孤独を愛した『詩人』放哉は、なぜ人の愛情を欲するしぐさを常とする犬にひかれたのでしょう。