100年の孤独/放哉に想う〈Vol.29〉 独居無言のなかで
神戸・須磨浦海岸のベンチに腰掛け、お昼をとっていました。しばらくすると雀が一羽、また一羽と近づいてきました。なにもされないとわかると一気に距離を縮めてきました。その群れの中に足の不自由な雀がいました。一本足とまではいきませんが、片方の足指がなく、これでは電線にとまることもできないにちがいない、と思われました。
米菓子を砕いて、その雀に放り投げました。しかし、どうにも動きが緩慢なために、ことごとくほかの雀たちに横取りされてゆくのでした。近寄って与えようとしたら、パッと飛び去って