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【ギアレビュー】かかった時から獲物の前後左右の動きを狭められる新開発のくくり罠「二点支持ワイヤー式オール塩ビ120」とは?

『狩猟生活』編集部が、気になる狩猟ギア&ウェアをピックアップ。
今回は鎌田スプリングの新開発のくくり罠「二点支持ワイヤー式オール塩ビ120」をレビューします。

鎌田スプリング「二点支持ワイヤー式オール塩ビ120」
オール塩ビ120丸型踏み台サイズ:タテ115 ㎜×ヨコ165㎜/本体高さ:全長60㎜、高さ40㎜/荷重:16.5㎏/価格:1式6,050円、10台特価56,100円、30台以上特価158,400円/
*前方ワイヤー(4㎜×7×24、1.5m) は通常のとおり台付けする。後方ワイヤー(4㎜7×24、2.0m)は多少ゆとりをもたせて、前方ワイヤーの対角線上に可能な限り短い距離(1~2m)で台付けするのがポイント


ハンターの安全を確保できる新たな視点のくくり罠!!

 よく使われているくくり罠はワイヤー1本で臨む。台付けした木を中心にして、ワイヤーの長さの範囲内であれば動物は縦横無尽に動き回ることができる。当然、激しく動き回れば、イノシシなら土俵とかクレーターなどとも呼ばれるように台付けした木を中心に派手に土が掘り返されてしまい、止め刺しを終えたあとの整地が非常に面倒なことになる。

1 本のワイヤーの場合、安全確保のため保定したほうがいいが、
二点支持ワイヤー式オール塩ビ120なら安心だ

 鎌田スプリングが満を持して開発した新製品「二点支持ワイヤー式オール塩ビ120」は、その名前のとおりあらかじめくくり罠に接続した2本のワイヤーによって、かかった獲物の前後左右の動きを狭めることができるという画期的な罠だ。栃木県那珂川町在住の現役くくり罠ハンターが考案し、同社に声をかけて開発を重ねて商品化して特許を取得した。獲物がかかったあとに保定をせずに止め刺しに入ることができる。保定の際にもハンターに危険がおよぶので、最初から動きを抑えられる2点支持のメリットは多大だ。使用上の注意点は必ずワイヤーを対角線上に固定することである。
 ワイヤーがひとつ増えたことにより罠の動きが遅くなることが懸念されることについては、「バネの力を増すことによってクリアしています。このバランスがよくないとうまく獲れないでしょう」と鎌田スプリング担当者はいう。
 実際に作動させてみたところ、ふたつのワイヤーがあることを感じさせないほど動きがスムーズで、脚の高い位置をくくることができる。それを可能にするのが「Oリングばね」と「交換用インナーパイプ」。Oリングばねがあることで、動作直後のワイヤーをストレスなく締めることができ、インナーパイプをワイヤーとバネに沿わせることで、バネがきれいにたたまれてねじれを抑制でき、バネ本来の性能を発揮できる。

2 本目のワイヤーにも必ずより戻しを装着する。
2本目のワイヤーを装着できるループがこの罠の特許。
シャックルで、ループとより戻しを接続する
荷重調整は本体に開いた穴に爪楊枝などを差す。
爪楊枝の本数によって変えることができる。
ある猟師は大きく穴を開けて、枝を差しているようだ
インナーパイプ
キャップに溝が切ってあることで、タテ・ヨコ・ナナメの角度調整が簡単。
インナーパイプを付けることでバネをきれいに縮めることができ、
それにより作動時はバネ本来の力を発揮できる/
交換用インナーパイプ:1本 363円、10本3,278円
Oリングばね
罠が作動したときに摩擦ゼロでワイヤーを締めることができるパーツ/
4㎜用10個 330円、5㎜用10個495円
前方ワイヤーと後方ワイヤーを必ず対角線上で固定する(イラストレーション=小倉隆典)

問い合わせ:鎌田スプリング☎0120-518-083
https://kamada-spring.com/

※当記事は『狩猟生活』2022VOL.12「ギアレビュー」の一部内容を修正・加筆して転載しています。データは2023年3月28日現在のものです