狩猟のためのナイフ考 PART6
小堀ダイスケが本気で選んだ、初心者ハンターにオススメのナイフ8本
①バック 110 フォールディングハンター
1964 年の発売以来、50 年以上にわたりロングセラーを続けているアメリカ製フォールディングナイフの大定番。少々重いのが難点だが、シースナイフと同等に扱えるヘビーデューティーさには絶対の信頼性がある。
②ヒロナイフ
1980 年代初頭、国産初の本格的ハンティングナイフとして発売されたフォールディングナイフ。鋼材は日立金属の国産ステンレス鋼、銀紙1号を使用。日本人による日本人のための洋式ハンティングナイフの決定版だ。
③オピネル ♯8
100 年以上の歴史をもち、フランスではどこの家庭にも1本はあるという万能ナイフ。ロック機構はシンプルだが、鳥猟用としてなら薄くて軽くて使いやすく、持っておいて損はない一本。ハイカーボン鋼とステンレス鋼 のブレードを選べる。
④ガーバー ベアグリルスフォールディング
イギリス出身の冒険家、ベアグリルスの名前を冠してガーバー社よりシリーズ化されたうちの1本。価格も安く、普及品だが、道具として酷使するぶんには過不足のない性能を持っている。ベルトクリップ付き。
⑤ジーサカイ ニューサビナイフ2
ネーミングのとおり、まったく錆びないといっても過言ではないほどの耐酸化性能をもったナイフ。ブレード材のH1 ステンレスは切れ味と研ぎやすさに多少の妥協が必要だが、海風にさらされるような猟場では威力を発揮するだろう。
⑥関兼常 美濃伝百錬円空彫匠
安来鋼白紙1号という、和包丁などに多用される鋼材を使用した和式ナイフ。日本刀のような美しい刃紋のブレードは最高の切れ味を誇るが、ハードな使用には向かない。関兼常ではほかにも数多くの和式ナイフを発売しており、洋式ナイフの切れ味に飽き足らないハンターはぜひ試していただきたい。
⑦モーラ コンパニオンヘビーデューティー
モーラは125 年以上の歴史をもつスウェーデンのナイフメーカーで、王室御用達の認定を受けた信頼のブランド。カーボン鋼とステンレス鋼、ふたつのラインナップがあり、どれも安価で使いやすく、実用第一のデザインはまさに狩猟向け。
⑧バークリバー ブラボー1
米海兵隊が使用したことで有名になったアウトドア用万能シースナイフ。 ブレード厚が5㎜もあり、フルタング構造とあいまって頑丈さでは他の追随を許さない。コンベックスエッジという丸い刃付けにより、切れ味の鋭さと耐久性の高さを兼ね備えている。各部のつくりにもまったくすき間がなく、大物獣の解体に思う存分使いたい。
※当記事は『狩猟生活』2017VOL.1「狩猟のためのナイフ考」の一部内容を修正・加筆して転載しています。
Profile
こぼり・だいすけ
27歳で散弾銃を所持し、その後、狩猟免許を取得。 第一種銃猟・わな猟・網猟と3種の狩猟免許を持つ。これまでに扱ったナイフは200本以上、所持した銃の合計は30丁と、豊富な知識と経験を活かし2013年からライターとして活動を開始。国内ではほぼ唯一の狩猟・銃・ナイフの専門ライターとして、狩猟専門誌などで執筆を続けている。現在、一般社団法人栃木県猟友会の事務局長を務める。趣味はオートバイ。共著に『狩猟用語事典』(山と溪谷社)がある