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【腰痛】仙骨関節のズレによる腰から脚の痛み:鍼灸的アプローチを解説

関節や筋肉について専門的に学び、鍼灸師の私が実際に施術したケースをご紹介します。

今回は、痺れを伴う腰から脚にかけての痛みについて。草むしりなどでも似たような痛みが出ることがあります。
原因から原因の特定、施術までを解説します。


症状・経緯~ストレッチ後に生じた痛みと痺れ

50歳女性。
仕事はデスクワークが8割くらい。座っている時間が多いため、普段から運動を心掛けており、筋トレ、ランニング、軽登山が趣味という活動的な方。

発端はストレッチだそう。
YouTubeを参考にしていつもと違う方法でストレッチを念入りに行なった後、右臀部に違和感を覚えた。

軽い筋肉痛かと思っていたら、翌日には痛みと痺れに変わっていた。

これまでにも臀部周辺に痛みが出ることはあったが、痺れが出たのは初めて。
不安になりネットで調べたところ、下肢の痺れ、痛みは腰椎椎間板ヘルニアの可能性があると知り、すぐに整形外科へ。

画像診断で椎間板ヘルニアではなく、異常なしとのことで、湿布を処方され、1週間後の再受診を勧められた。

湿布を毎日貼るが、痛みと痺れに変化がなく、知り合いのご紹介で来院されました。

見立て~原因は仙腸関節(せんちょうかんせつ)のズレ

まず、痛みと痺れの場所から、原因は以下の3つのどれかに絞られます。

①腰部神経根(ようぶしんけいこん)性障害
②仙腸関節(せんちょうかんせつ)性障害
③筋筋膜(きんきんまく)性障害

病院での画像診断で問題がなかったので、①の腰部神経根障害は可能性から除去。

残った②か③で迷いましたが、各種検査と動作分析により、②の仙腸関節にズレがあると判断しました。

原因は、ご本人の予想どおり、ストレッチ。
前後に開脚した状態から上半身を捻るという動作だったそうなのですが、骨盤を固定した状態で上体を捻るため、その際に仙腸関節がズレたようです。

施術~関節のズレを矯正して3回で解決

そこで、仙腸関節のズレを矯正したところ、その場で症状の6割が軽減。
右臀部の痛みが左臀部へ移動し、右大腿部の痛み、痺れは消失。
左臀部のピンポイントの痛みが残っていましたが、初回の治療は終了。

2回目は2日後に行いました。
左側の仙腸関節の矯正をして左右のバランスを整えたところ、ほぼ症状がなくなったため、2回目の施術を終了。

3回目は1週間後、1割程度症状が残っていたので、仙腸関節を調整。完全に痛みが無くなったので施術完了となりました。

考察~謎が多いが対処法は判明している仙腸関節性腰痛

今回の症状は、前後に開脚し上半身を捻る動作で仙腸関節がズレたことが原因でしたが、ストレッチ以外の動作でも同じ症状が出ることがあります。

例えば、開脚しての前屈運動、庭の草むしり。
つまり、股関節が固定された状態で上半身を捻る動作をすると、仙腸関節がズレやすいのです。

仙腸関節はまだまだ分からないことの多い関節です。
ズレたことで、なぜ臀部や下肢に痛みや痺れが出るのかは解明されていません。
しかし、今回のように、仙腸関節の位置を正しい位置に戻すことで痛みが収まることは分かっているのです。

「痛い場所」と「原因箇所」は別なことも多い

自分が「痛い」と思っている部位とは別の場所に痛みの発生源(炎症など)がある方はかなり多くいらっしゃいます。

今回の女性もそうでしたが、痛い部分には問題がないため画像診断には映りません。

また、傷んでいる場所に湿布を貼っても痛みは取れません。

そのため、「どうすればいいの?」とお困りの方が多いようです。

私の強みは、筋肉や関節の仕組みを理解していること。
いろんな動きをしてもらい、どの動きで痛みが生じのかを特定することで、痛みの原因を突き止め、そこに的確な施術が行えます。

「私の腰の痛みに似ている」「痛みの原因が分からない」という方は、ぜひ調布の春宵堂治療院にお越しください。

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急性期、慢性期の各種関節痛を得意としています。


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