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SDGsについて

ここ数年、あらゆる場面で耳にすることが多くなった言葉「SDGs」(エス・ディー・ジーズ)。

人も資源も含めた、地球環境のためにいいことを推進していこうという、国連が掲げた目標なのです。大きな目標として17個あり、目標それぞれに10個ずつぐらいのターゲットが存在し、合計で169個もあり…。って正しい説明は僕には無理なのでこちらを参考にしてみてください…。

SDGsについて調べれば、やはり取り組むべき課題は複雑で、「何からすればいいんだ?」ってなかなか行動に移せない。

だからパティシエという職業で「食」に携わっている立場から、シンプルに考えてみようと思います。

シンプルに2つ。

①旬の食材を無駄なく使い、美味しく食べてもらおう。
②なるべく近くで作られている食材を選んでいこう。


①旬の食材を無駄なく使い、美味しく食べてもらおう。

スーパーに通年並んでいる野菜や果物ってありますよね。
例えばレモンの旬っていつですか?
キュンとくる酸味や爽やかな香りが、夏の暑い時期には美味しく感じますよね。消費してるのもなんとなく夏が多いような気がする。

でもレモンの旬は冬から春です。

瀬戸内で獲れるレモンですね。
まずは酸味が立って香りも強いグリーンレモンから始まり、徐々に黄色になるにつれて酸味も香りもまろやかな優しいレモンになります。
冬の間に仕込んでおいたレモンシロップを、夏の時期に炭酸で割って飲む。
美味しいですよね。
そういうことも感じながら味わうと、より美味しく感じるものです。

年中、同じ味がいつでもどこでも食べられる、っていうのもそれは幸せなことだし、便利でもあります。でもそのためには大きな施設や、大地に負担のかかる化学肥料も必要になってきます。莫大な人、お金、エネルギーが必要になってくるのです。人の体力、気持ち、お金、地球資源はどれも限界があります。これでは持続していくのが難しく、いずれは消滅してしまうでしょう。

旬の食材を積極的に消費して、旬が終わればまた来年を楽しみにすればいいと思うのです。日本には四季があってそれぞれに美味しい食材が豊富にあるのですから。

自分が考えるジャムやデザートも、できる限り旬の食材を使い、その良さを伝えていけるようにしています。

②なるべく近くで作られている食材を選んでいこう。
「フード・マイレージ」っていう言葉があります。
「フード・マイレージ」とは、食料の輸送量と輸送距離を総合的・定量的に把握することを目的とした指標ないし考え方、とあります。

食料の輸送に伴い排出される二酸化炭素が、地球環境に与える負荷という観点に着目したものなんですね。


自分の体験から説明すると、例えば「グレープフルーツ」。
今、スーパーに並べて売られているグレープフルーツの多くは輸入物です。アメリカのカリフォルニアで獲れたものを、大きなコンテナ船に乗せて、たくさんの二酸化炭素を放出しながら何日もかけて日本へ運ばれてきます。
もちろんそのためには輸送中に腐らないように、完熟前に収穫して、たくさんの防腐剤も使用されています。

まだあまり知られてはいませんが、国産のグレープフルーツだってあるんです。
宮崎県日南市でグレープフルーツ栽培をされている田中良一さん、聖子さんご夫婦。樹上完熟栽培で充分美味しくなるまで待って収穫するから傷もあり、形はバラバラでも香り、酸味、甘みが濃厚なんです。形は揃ってなくても、種がたくさん入っていても、おそらくこっちの方が果実本来の姿なんでしょうね。
最小限の肥料で、海外から運ばれてくるよりも圧倒的に輸送負担も少ない。

もちろん消費者としては価格も購入条件の大事な一つですから、安価な輸入物を選ぶのも当然の選択です。ですが私たちが食材を選ぶ際、そのような環境に与える影響もあるということを知っているだけでも、少しずついい方向へ変わっていくのではないでしょうか。

全国の生産地を巡ってジャムを作る「ジャムの旅」。
緊急事態宣言下でなかなか活動ができない中だからこそ、今立ち止まって考える必要があるのかと思います。
コロナ禍で飲食業が動かないため、せっかく育てた多くの食材が廃棄される状況です。

「ジャムの旅」では美味しいのに形が悪いから出荷できない、廃棄される食材も積極的に使っていこうと思います。

だって最高に美味しいんだから‼︎

#SDGs #フードマイレージ #旬果放浪記 #ジャム #旅

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