第12回 香子は清少納言と会った?
さて、紫式部が清少納言と会ったのかどうかですが、通説では宮中への出仕時期がずれているので会っていないという事になっています。
しかし、実は香子と清少納言も、道綱の母同様に姻戚なのです。道綱の母の兄が清少納言の姉と結婚しています。
つまり清少納言は、香子の大叔母にあたる訳です。年齢差は4歳、少納言の方が上の説を取ります。
宮中で会っていないにしても、姻戚で幼い頃から才女と謳われた二人。お互いの存在を知らない筈はありません。清少納言の父清原元輔と、香子の父藤原為時も役所勤めの文化人ですから交流があったのでは?
しかし『紫式部日記』での清少納言に対する罵倒はすごいものがあります。この憎しみはどこから来るのでしょう?また一説には『枕草子』で香子の従兄信経の悪筆を嘲り(本当は能筆だったのに?)、また香子の夫・藤原宣孝が質素な身なりで行くのが普通の御嶽(みたけ)詣でに派手な格好で行って、「本当に変な人」とすでに故人であったのに笑い者にしたからとも言われています。
それに周りがわざと、香子の前で、かつて宮中で活躍した清少納言を誉めたのもあるかも知れませんね!
まあ姻戚だし、『大鏡』冒頭の雲林院の菩提講の如く、仏教関係の集まりでお互い見かけたくらいはあるかな?
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