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探すのをやめよ

フリーターやニートの問題

いつまでも働かない、決められない若者たちの心性の根底には「自分探し」があるとも言われる。

「自分がわからない」だから「自分にふさわしい」仕事を求めて彷徨う。

「自分にあった」仕事を求めている。

「自分がわからない」のに「自分にあった」仕事など見つからない。

自分というものは「わからない」のではなくて、「ない」のだと知らなければ駄目だ。

しかし戦後の教育は「自分らしく」「個性を持って」生きなさいと教えてきた。そう言われても「わからない」から探すしかないと思い、彷徨う。

個性というものは、自分で見つけるものではなくて、他人が見つけるものなのである。

自ら個性的であろうとする個性が、個性であるはずがない。

そんなものは他人と異なろうとする行為であって、自らのものではない。

他人がどうであれ、自分にはこうとしか出来ない。それが本来的な個性というものだ。

本人にあっては、こうとしかできないことをやっているだけなのだから、それを個性なのだと思うはずもない。

思うのは他人である。

なるほど、あの人はああしかできない人だな、あれがあの人の個性だなと。

人が自分の個性を知るのは、これは完全に逆説になる。

自分というものか「ない」と知ることによって個性的な人になる。

こうとしかできない自分を知る。

#池田晶子

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