【読書感想文6】超高速!参勤交代
この物語は江戸時代の八代将軍徳川吉宗の時代のお話です。
一万五千石という小さな藩である湯長谷藩は貧しい藩でしたが、飢饉を乗り越え、藩のいたるところにある湯につかり、疲れを取り、藩の人々は楽しく過ごしていました。
湯長谷藩の殿様である主人公の内藤政醇は藩の庶民とも普通に会話するほどしたわれていました。
そんなある日、江戸幕府の老中である松平信祝(のぶとき)から、先日の参勤交代の際の報告に虚偽があったためもう一度5日いないに参勤交代せよという命令が下された。
参勤交代の費用もなく無理難題な期限に、政醇や湯長谷藩の頭脳である相馬兼続(そうまかねつぐ)らは怒り、絶望したが、考え抜いた末奇策を思いつくのでした。
それは通常100人以上で行う参勤交代を政醇と家臣6人に雇った忍者の段蔵(だんぞう)を合わせた計8人で最速で参勤交代をするというものであった。
わたしは歴史物の小説を読むのはこの本が初めてでした。この本にはの貧しい民衆や小藩の苦悩とそれとは反対に私腹を肥やす老中の松平信祝が描かれていて、当時の貧富の差をイメージすることが出来ました。
この本からわたしは本当の貧しさとはどういうことか改めて学びました。
物語の終盤、政醇の台詞がこころに響きました。
「誠に貧しい者とは、どれだけ満たされて尽きぬ我欲をもつ者のことにございましょう」
以前にホセ・ムヒカという世界一貧しい大統領の演説を聞いたときにも同じ意味の言葉を聞きました。
この言葉は大好きだったので、こうして全く別の時代物の小説で再びこの言葉に出会えてうれしくなりました。
政醇やホセ・ムヒカさんのように豊かなこころを持っていようと思いました。
この本はやさしさを人と人は支え合って生きているということを感じ取れる本当にいい物語でした。
続きもあるので後日読もうと思います。
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