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相変わらず厳しい介護労働ー労働組合「日本介護労働ユニオン」調査ー

 労働組合「日本介護労働ユニオン」が昨年の3月から4月に行ったの調査によると、依然として介護労働が厳しい状況にあることがわかりました。

調査結果によると・・・

・介護職員の43%が、夜勤中に休憩できていない。
・17%が年次有給休暇を取得できていない。
・夜勤に伴う心身状態への影響(疲れが取れない、眠りが浅い、集中力の低下等)については、「ある」が52%。
・生活への影響(家事を行うのが大変になった、家族とのコミュニケーションが減った等)についても「ある」が44%。
・不安から離職を考えたことがあるが62%。
・転職経験が「ある」77%。
・前職も介護業界は50%。
・労働条件が上がる場合、業界内で転職する意思がある52%。
・介護業界で20年以上働いている職員は17%。
・同じ会社での勤続年数が「10年以上15年未満」なのは20%。「7年以上10年未満」が14%で、「20年以上」は4%。
 ⇒ ということは、6年以下が52%。

★働く上で不安を感じる、「ある」は75%。

⇒ 最も多い理由は、「賃金や貯蓄などの経済的な問題」(29%)。
次いで「自分の身体」(26%)となっています。
こうした不安から、62%が「離職を考えたことがある」とのこと。

 要するに「働けど働けど経済的に苦しく、身体的にも苦しい」、絵にかいたような<搾取>、一歩間違えば、<収奪>のように思います。
 重労働なのに賃金が低く身体的も辛い介護職員は4人に3人が不安を感じながら働いており、約6割が離職を考え、約5割が、より良い労働条件の事業所に転職したいと思っているのです。

 ケア労働は再生産労働です。資本主義はその再生産労働なしには生産できませんが、再生産労働を基本的、原理的、構造的に、評価しません。

 是非、以下の本を読んでもらいたいです。
⇒ ナンシー・フレイザー著『資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか』2023(ちくま新書)
 特に、第3章 ケアの大喰いーなぜ社会的再生産は資本主義の主戦場なのかー

 

『Cannibal Capitalism』 Nancy Fraser 

 調査結果をまとめると・・・
 介護は、重労働なのに賃金が低く身体的も辛い労働です。
 介護職員の4人に3人が不安を感じながら働いており、
 約6割が離職を考え、約5割が、より良い労働条件の事業所に転職したいと思っているのです。

 日本介護労働ユニオンの会長は、この調査結果について、「賃金や勤務環境など、より条件の良い同業他社へ移ろうという傾向が強い。人手不足が続く中、職員から選ばれない事業所の存続が危ぶまれる状況になっている」とコメントしています。 

 私も同感です。介護労働はますます流動化していくと思います。

 ケア労働、再生産労働は資本に食い物にされています。この認識から出発しなければ、ケア労働に未来はないように思われます。

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