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『スタンフォードが中高生に教えていること』 ②

なぜオンライン学校が全米トップになれたのか?

 これは第2章のタイトルです。気になった点挙げ,感想をまとめます。この詳細やこれ以外に第2章で書かれていることについては本書をお読みください。

 オンライン授業について,最初は,生徒や保護者から以下のような問い合わせが殺到したそうです。

「オンラインだと気が散ってしまい,うまく集中できなそう」
「教師や生徒とやりとりがなくて,孤立してしまうのではないか」
「生徒の社会性を養うことができるか心配だ」
「友達はできるのか?先生と話したりできるのか?」

 これはまさに今の日本のオンライン授業における問題と同じことが起きていたことになります。海外では,このような問題を想定して,

① 反転授業の導入

② チャットなどを活用した,コミュニケーション空間のデザイン

③ 生徒指導のカウンセラー制度の充実

を特に意識することで,「対面」と同等またはそれ以上の力を発揮することを可能にしたとあります。特に,③は「心のケア」「学習プランのサポート」「大学受験指導」に分け,1人の生徒に対し,3人のカウンセラーがつくというように多面的なサポートの工夫がなされたそうです。

 日本は,4月の緊急事態宣言以降,大学では今でもオンライン授業が続いています。政府は,このような状況に対して学生から不満があるとして,「対面授業の再開を」とのみ言い続け,オンラインを利用した授業の可能性について考えてきませんでした。

 海外でのオンライン授業の動きは,2000年代に入ってからのことです。日本は,10年〜20年の遅れをとっていることになります。今回の事態は,ようやく遅れを取り戻す絶好の機会でしたが,日本はその道を切り開く選択をせず,さらに遅れをとることになったといっても過言ではありません。

 今後しばらくは,元の生活に完全に戻ることはないでしょう。すぐに元に戻るだろうと楽観視したのか,それとも従来の固定観念にとらわれ,そこから抜け出すことができなかったのかわかりませんが,緊急事態宣言が解除された6月以降,大学だけでなく,中学や高校を含め,オンラインの可能性を視野に入れて模索し,準備をしていれば,さらなる進歩の可能性を秘めていたはずなのに,残念です。視野を広くもち,さまざまな視点から模索していくべきでしょう。

* 『スタンフォードが中高生に教えていること』①はこちら☟

* 本はこちらから☟


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