自閉症スペクトラム障害(ASD)の私が伝えたいこと〜発達障害啓発週間に関連して〜
度々投稿です!くどくど言いますが本日4月2日から4月8日までは発達障害啓発週間です。
当事者の私が伝えたいことを記していきます。
まず、皆さんの気持ちを犠牲にしてまで、出来ないことをしてまで、私達の全てを理解しようとしないで下さい。私は、自分たちのために、皆さんのことを苦しませたくないです。できることを、できる範囲で関わって下さい。私達は曖昧な表現が苦手です。なので「〇〇はできるけど、△△はできないよ」や「この時間は連絡取れないよ」などと具体的に教えて下さい。
次に前の記事でも書きましたが、私達発達障害者も元を辿れば定型発達の皆さんと同じ人間という種族です。
私達は私達なりに好きなこと、得意なこと、苦手なことがあります(得意不得意の凹凸が激しいので発達障害と言われます)。でも凹凸の激しさを除けば定型発達の方も同じですよね。
私はディズニーや、韓国コスメ、洋服、J-POPが大好きです。勿論お金は限られているのでいかに安く買うかなどよく考えて買います。定型発達の友達でディズニーが好きな子、コスメや洋服が好きな子、J-POPが好きな子は沢山います。
得意不得意も共通点はあるでしょうが、特に好きなことにフォーカスを当てると沢山共通する部分があると思うんです。
だから、何もかも定型発達の方と異なる訳ではないんです。
勿論、急にパニックを起こしたり、不注意で忘れ物が多かったり、視覚情報の処理の困難さで物の場所や人の顔を覚えられない、ぼーっとしてしまう、極端に不器用など異なる部分も沢山あることはわかっています。
でも、異なる部分だけじゃなくて、共通する部分にも目を向けて欲しいです。
私達ASD当事者は好きなことを極めることが得意だったりして、好きなことの会話だと結構盛り上がることもあります。是非共通する部分を見てもらってお話ししたいです。
3つめに、無関心の目を向けないでほしいことです。特に、家族や学校の先生から無関心の目を向けられることはとても辛いです。
親に発達障害を受け入れてもらえなかった当事者として本当に伝えたいことがあります。それは今、お子さんが発達障害と診断された、または疑いがあると言われ、苦しんでいらっしゃるご両親に掛けたい言葉です。
私はお子さんの障害を受け止めようと必死にもがいて下さっている親御さんを見ると、凄く頑張ってらっしゃって、ありがとうって伝えたいと思います。また、周りの支援者の方と手を取って一歩ずつ進んで下さいと思います。私もそんな支援者になりたいですし。
私は、親に受け止めようともがいて欲しかった。
でも、診断から目を背けた私の親にそんなキャパシティーは無かったんだね。
発達障害の診断を聞いて否認して苦しむことも障害の受容までのプロセスの一過程だと思います。
否認は目を背けることとは違います。
目を背けることは診断のことを考えないようにすること、なかったこととして記憶しないようにすることです。否認は発達障害の診断について考え向き合っているからこその感情だと思います。
苦しいと思いますが沢山考えて下さい。ゆっくりで良いです。沢山考えて下さったことはお子さんのためになります。
この記事を読んでくださっているということは、沢山考えていらっしゃるのでしょう。お子さんのためにもがき悩むことは間違いではないです。当事者としてお礼申し上げます。本当にありがとうございます。
また、誰もが、発達障害についての情報を手に入れやすい環境の整備、家族へのフォローアップの充実などの対策で、私のように悲しい思いをするお子さんが少しでも減りますように。
最後に、どのくらいの数がいるかわからないですが、私のように発達障害者でありながら、家族のケアを行わなければいけないヤングケアラーや若者ケアラーの方たちへ。
本当は自分の障害の特性でいっぱいいっぱいなはずなのに、物凄く辛いと思います。ケアをする対象の方の状況にもよりますが、周りに助けを求められない方もいると思います。
とにかく伝えたいことは、死ぬ前に逃げて。
生き残っても精神面で後遺症が残るようなケアラー生活かもしれないけど、死なないで。助けてくれる人はすぐ側にはいなくても、声をあげれば必ずいる。だから生きて。
特に若者ケアラーの問題は本当に難しいと思います。
児童福祉法からも外れる18歳〜30歳くらいの年齢を若者ケアラーと呼びます。あくまでもケアを受けている相手の意志が尊重されます(相手が成人の場合は)。でもそうすると、相手が福祉的なケアであったりを望まなければ、殆どの対応をケアラーがしなければいけません。そして、若者ケアラーは「児童」と呼ばれる対象の年齢ではありませんが、まだまだ生きていくことに関してわからないことだらけです。実際私も頼れる場所を最初から知っていたわけではありません。だから、「児童、子ども」ではなくても、尋常ではない負担が若者ケアラーにはのしかかります。例え、相手が薬を飲んでいて症状をコントロールしようとしていても、ケアラーの負担は大きいです。
ましてや、発達障害者が病気の家族を支える、これは恐ろしい状態です。心中、自殺のリスクが高い、行政から見ると、いわゆる”ハイリスク家庭”です。
発達障害の有無など関係無しに見て、何かがおかしいと思うんです。勿論相手の意志は尊重されるべきでしょう。ただそれでケアラーに負担がのしかかる。
その結果、私の場合、自傷行為に発展したり、ケアラー生活を終えてからも体調や感情の不安定さやフラッシュバック、過呼吸などの後遺症に悩まされています。
法律や制度の狭間で守られない若者ケアラー。
まだ私達は知らないことだらけです。ケアをして困ったとき、どうしたらいいかなんて殆どのことがわからないんです。
今回、福祉を学んでいて少し知識があった私は大声で叫んで助けを求めたことにより、自殺を間逃れました。でも助けを求められない、求め方がわからない方は沢山いると思います。
声をあげられることはケアラーの場合当然ではありません。ヤングケアラー・若者ケアラーの実態を掴み、フォローや場合によっては家庭に介入できる制度が必要だと思います。
そして、私にできることは、現状と当事者としての想いを発信すること。私は、影響力のかけらも持っていないけど、一人でも私達の現状を知ってくださる方が増えれば幸いです。
社会のヤングケアラーや若者ケアラーへの関心が、私達を救えると思います。
私達のことを知って下さい。お願いします。
以上、自閉症スペクトラム障害の私が伝えたいことでした!なんか、障害のことだけではなく、難しい社会問題も絡んでますが。こんな自閉症スペクトラム障害の人間もいるってことを知ってもらえればと思います。
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