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325. できない自分を好きになる

(キャリアについてよく取材を受けますが…)
できない自分もちっとも嫌いじゃない
そこから生まれたものが、あまりに大きいから

キャリアより思い出
生きた価値はそこにあるといい

ラジオパーソナリティー クリス智子さん

片付けの現場では、

「できない自分」

を責めて、責めて、
心が苦しくなっているケースをたくさん見てきました。


ですが、家の中における「できない」は、
一口に「できない」といっても、

「片付けができない」
「捨てることができない」
「家事ができない」
「整理整頓できない」

など、ちょっと具体的に分類するだけで4つの「できない」があります。


しかも、

「片付けができない」の
「片付け」と一口に言っても、

家の中にはいろんな箇所があるので、

「キッチン」の片付けなのか、
「リビング」の片付けなのか、
「ダイニング」の片付けなのか。

それぞれに片付け方法が異なるため、
さらに「できない」の種類があります。


さらにいえば、
「キッチン」には、

食材の片付けなのか、
食器やカトラリーの片付けなのか、

調理器具の片付けなのか、
よく片付けの対象となるタッパーなどの
「保存容器」の片付けなのか。

ざっと例をあげるだけでも、
4つの分類がされます。


漠然と、家の中全体を見渡して、
お客様が「できない」と自分を責めている場合、

どこの部分が「できない」と感じているかを静かに分析してみます。

と同時に、どの部分が「できている」状態かを必ず見極めます。


いや、私に「できている」箇所なんてない。
「これができない」「捨てられない」「私はできない」


お客様に、断固として、そう言われたとしても、
フフフッと笑って、かわします。

なぜなら、

できないの裏には、
必ず「できている」が存在しています。

「できない」に苦しみを感じるなら尚更です。


もう一つお伝えするなら、

苦しい、と感じる「できない」ことは、
「できるようになる」前触れです。


家の中は、何度もお伝えしているように、

1軒のコンビニと同じ量のモノがあり、

食べる、寝る、団欒する、
調理する、身体を綺麗にする機能・場所が一箇所に集まっており、

それぞれに関するモノを、
適材適所にまとめ、

在庫も適切な状態にし、
モノを最適な状態にするのは、

思っている以上に、本当に大変で、
難易度が高く、至難の業です。


なので、

できない自分は、
責めるべき短所でも能力の不足でもありません。


誰もが通るスタート地点、大前提として取り組みます。


普通の人が、マラソンを完走できなくて苦しんだりはしないように、
できないことで苦しくないことは、世の中にたくさんあります。

ただし、マラソンランナーは別です。

マラソンが好き、完走したい、タイムを競う世界に生きているランナーは、
逆に、苦しくないとダメなんです。


つまり、

片付けられなくて苦しい場合は、

家が好き、部屋を片付けたい、
もっと素敵な家で暮らしたい

片付けられる自分になりたい、
家や自分の生活をコントロールする自分になりたい
という本心の現れです。


人が行動する心理的な理由は2つです。

1・困難から逃れるため
2・快楽を得るため

できない自分が苦しいとき、
「できない」という「困難」「苦しみ」から逃れるため、本能的に行動しようとします。

その一歩が「片付けを依頼する」です。

ですが、その一歩で、自分を卑下する方が多く、
できなくて当たり前のボリューム・細分化されていない家事と片付け全般で漠然と悩んでいる方が多く、

その「自分を責める」側に、無意識に
スタッフを引き入れようとするケースも多々ありました。


ですが、私は「お客様の幸せ」を心から祈り実現させるお手伝いをするのが基本スタンスなため、

じっと家を見つめて、お客様を観察し、
お話も静かに聞いて(傾聴)、どちらの側にも立たず、

必ずある「できていること」を見つけ、お客様に伝えます。


「こんなに褒められたことないんだけど…」
「褒め上手ですね」

「そう、そうなの!ここだけは、自信がある」
「これだけは、確かに。大事なものだから」

少しずつ、お客様自身が「できない」ことより、
「できていること」に気づき、会話が弾むと、顔つきが変わってきます。


中には、褒められ慣れていない方が多いのか、
素直に褒めているだけにも関わらず、

「…他のお客様にも、毎回、同じように褒めているんですか???」

と社交辞令、業務的なヨイショの発言かと疑いを向けられることも多く、

「いえ、仕事とはいえ、嘘がつけない(ついてはいけない)ので、
 一切、褒めません。そんなときは、ただただ黙々と作業します。」

毅然と私は答えていました。
もちろん、本当のことです^^

「そうなんですね(笑)」

そう笑ってもらえると、
また、お客様の顔つきが変わって、部屋の雰囲気がより変化します。

もちろん、「いい方向」に変化します。


「できていること」
「褒められること」

そこに、モノと自分との良好な関係性に気づいたとき、
できない自分に意識が向かないようになります。

「できていること」を「褒められたこと」で認識できるようになり、
脳が快楽・喜びを経験し、

その脳内物質が、「できない」自分を、まるで消してくれるかのように、
片付けが加速する、片付けようとしなくても、

「もう大丈夫です!」

たくさんのモノがテーブルに残ったままでも、

「これは自分でやります!(できます!)」

と、満面の笑みでスタッフを送り出してくれるようになります。


ビジネス的には失敗ですが(リピートされないので^^;)
幸せを感じるときでもあります。

ご依頼ありがとうございました^^

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