光の街とスタンプの冒険

その夜、ウサギとカメはシャンパンゴールドに輝く光を見上げながら、寄り添うようにゆっくりと歩いていた。

その光は魔法のように二人を包み込み、夢と現実の境界を静かに溶かしていく。まるで、永遠に続くかのような、不思議で幻想的な夜だった。

丸の内イルミネーション

通りのあちこちでは、クリスマスマーケットが賑わい、小さな人だかりが灯りの中で揺れている。

「私、キラキラと煌めくイルミネーションを見るのが好きなの…」ウサギの囁くような声は、賑やかな光景の中でふわりと空気に溶け込んでいった。

その時、突然、カメがそわそわとした様子でウサギの手を取った。そしてそのまま、二人は丸ビルの本屋へと足を踏み入れた。

「本でも見るの？」ウサギの問いかけに、カメは小さな微笑みを浮かべながら、店の奥へと姿を消していった。やがて戻ってきたカメの手には、スタンプラリーの台紙がしっかりと握られていた。

「見て！ピーチ姫よ。一緒に写真が撮れるのね。でも…子どもたちに混じって並ぶのは、ちょっと恥ずかしいわね」ウサギは子どもたちの楽しげな様子に目を奪われていた。

新丸ビル3階 アトリウム

「あれはキノピオね。ここなら一緒に写真が撮れるかしら！」ウサギはまるで子どものように、瞳を輝かせながらその場へ駆け寄っていった。

丸の内ブリックスクエア

「あの、それ…僕が始めたスタンプラリーなんだけど…」カメはためらいがちに口を開いた。「細かいことは気にしないの。ほら、マリオだって笑ってるわよ」

丸ビル１階 マルキューブ

「ついに9個、全部揃ったわ！」
ウサギは目を輝かせながらカメの方を振り返った。「ねえ、これで何がもらえるの？」

「それは…僕が欲しかったんだけど」
カメの声は、まるで消えてしまいそうなほど小さく響いた。

「心配しないで。私、スタンプを集めて回るのが楽しかっただけだから。景品は全部あなたのものよ」 ウサギの優しい声に、カメは驚いたように顔を上げた。

「イルミネーションって、いろんな楽しみ方があるのね」ウサギの笑顔に引き寄せられ、光の街も一緒に笑っているかのようだった。