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「うなも」との出会い

おめで鯛焼き本舗で、思わぬ性格判断をしたウサギとカメは、長い戸越銀座の反対側まで歩いてきていた。あたりを見回していたウサギの目に留まったのは、「紫色のスライム」だった。

「うなぎいも? ってなに?」彼女は店頭にあるタペストリーを読み始めた。 「鰻の頭や骨を肥料にして栽培したサツマイモだから『うなぎいも』なのね。どんな味なのかしら?」ウサギはカメの手を引きながら、軽やかに店の中へ入っていった。

コンパクトな店内には、紫色のスイーツやグッズがずらりと並んでいた。カメがゆっくり店内を見回している一方で、ウサギはスイーツメニューを細かくチェックしていた。彼女はお店で一番人気の「うなぎいもモンブランソフト」を二つ注文すると、グッズを見ていたカメの隣に並んだ。

「見て!『うなも』だって。すごくかわいい。私にはスライムに見えるけれど、鰻だからちゃんと尻尾があるのね」と、ウサギは「うなも」を手に取り、はしゃいでいた。

「うなも」グッズ

二人は店員さんから手渡されたモンブランソフトを持つと、店の外のテーブル席に腰を下ろした。うなぎいもで作られたモンブランソフトは金色に輝き、甘い香りが漂っていた。

うなぎいもモンブランソフト

ウサギはひとくち食べた瞬間、目を大きく見開いた。「こんなに細やかで滑らかなモンブランは初めてよ。岩塩が振りかけられていて、焼き芋を思わせる風味がするの。それに、このソフトクリームは余計な味がなくて、モンブランの繊細な味わいがぐっと引き立てられているのね」

ウサギはソフトクリームをゆっくりと味わいながら、目で何かを探していた。「さて、次はお約束のお土産を選ぼうかしら」

戸越銀座はどこか懐かしく、時の流れがゆったりとしているように感じられた。その穏やかな時間が、二人を優しく包み込むように流れていった。



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