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焚き火と歩んだ12年

焚き火との12年

こんにちは、焚火男です。
今日は、私の人生に寄り添ってくれた焚き火との12年間の軌跡をお話しさせていただきます。

家族との新たな出発

12年前、長男の誕生をきっかけに始めたファミリーキャンプ。
もともと近所の公園で自然散策を楽しむ程度だった私が、その延長として始めたアウトドア活動でした。
見よう見まねで道具を揃え、設営や料理に悪戦苦闘しながらも、その過程で徐々に楽しさを見出していきました。
特に焚き火の魅力に気づいたのもこの頃です。
家族と焚き火を囲んで語り合う時間は、単なるアウトドア活動を超えた、質の高い家族時間となりました。

人生の試練とソロ焚き火

しかし、穏やかな日々は長くは続きません。
次男が生まれてまもなく、父が大腸がんを患い、母にも認知症の兆候が現れ始めたのです。
育児と介護の日々を、妻の献身的な支えに救われながら必死に過ごしていました。そんな私たちに、思いもよらない試練が訪れたのです。
妻の乳がん診断でした。
大切な人を失う恐怖が、あの痛ましい記憶と共に押し寄せ、再び私を暗闇へと引きずり込もうとしていました。

幼い子どもたちの世話に加えて両親の介護、そしてさらに重なる妻の闘病。
先の見えない不安の中、心も体も限界に近い日々を送っていましたが、そんな私を静かに支えてくれたのが、焚き火との時間でした。
キャンプに出かける余裕はなくなりましたが、近所の河川敷で一人、火を眺める時間だけは大切にしていました。

燃える炎を見つめていると、不思議と心が落ち着いていきます。
慌ただしい現実から一時的に離れ、自分自身と向き合える貴重な時間。
焚き火のおかげで、厳しい状況の中でも希望を失わず、不安や悩みを冷静に受け止めることができました。

時は少しずつ、私たちの生活に変化をもたらしていきました。妻の容体が回復に向かい始め、父は穏やかに最期の時を迎えました。
母も介護施設で落ち着いた日々を送れるようになり、子供たちも徐々に手がかからなくなってきました。

人生に少しずつ余裕が生まれてきた頃、副業のネット物販に注力し、個人事業主としての一歩を踏み出すことができました。

その頃、新しい知識を得ようと参加していたオンラインコミュニティで、ふと思い立って【焚き火オフ会】を企画してみました。
「久しぶりに心が落ち着きました」「リフレッシュできた」。
参加者の方々からそんな感想をいただき、焚き火が持つ癒しの力を、改めて実感したのでした。

焚き火に癒された私は、その温もりを誰かと分かち合いたくて、定期的な焚き火会を始めることにしました。
小規模な集まりから始めた活動は、今では各地の焚き火イベントのサポートにまで広がっています。

振り返ってみると、この12年間、焚き火は私の人生に寄り添い続けてくれた心の灯火でした。
家族との絆を深め、苦しい時期を乗り越える力をくれ、そして今では、新しい出会いをもたらしてくれる架け橋となっています。

人生には誰にでも、思いがけない出来事が訪れます。
そんな時、少しでも心を落ち着かせ、自分を見つめ直す時間を持てることの大切さ。
それを、これからも焚き火を通じて静かに伝えていきたいと思います。

その炎のそばで、いつか皆さんとゆっくりとした時間を共有できることを、心から楽しみにしています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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