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科学的な思考と仏教の対応

現在、私達が恩恵を受けている『科学的思考』は、古代ギリシャの哲学の影響を大きく受けています。例えば、ニュートンの力学が生まれたのは

  太陽系を地球と太陽だけで考える
  地球も太陽も一点に質量が集中した質点と考える

等の理想化が上手く働き、簡単なモデルで考えて理論を造り上げました。

こうした『理想化』による単純化が、色々なところで使える

  本質を見いだす

ことができるので、汎用的な法則を見いだす『自然科学』が育ちました。

さて、このような理想化は

 原因->結果

の因果関係を明確にする力があります。しかしながら、現実の世界には、多くの物事が絡んでいます。大乗仏教では

 因縁果報

と表現し

 直接的な因果関係
 間接的な縁と報い

の関わりを大切にします。ただし、個人の具体的な問題に対応するときには、個別の因果関係を明らかにしていきます。これを

 大きな網を持つが鳥を捉えるのは一つの網目

と喩えています。色々な縁を網のように広げますが、個別に対応する時には、因果関係を明確にしています。空海は、即身成仏義で

 仏の力は網のように重なる

と説いています。

私達も、学校で学んだ色々な知識が、断片として記憶されている場合には

 使える!

と言う実感は少ないでしょう。しかし、色々な知識、そして体験が積み重なり、それらが網のようにつながった時

 本当に使える知識を手に入れた!

と心の底から言えるでしょう。





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