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『ゲゲゲの謎』~見えている世界が全てじゃない、見えない世界に隠された謎~ 

『鬼太郎誕生〜ゲゲゲの謎〜』、通称『ゲ謎』と呼ばれる映画作品を知っているだろうか?
この作品は、水木しげる生誕100周年を記念して作られた長編アニメーションとなっている。現在では、億単位の興行収入を決め、鬼太郎の元祖でもある『墓場鬼太郎』とは違ったテイストで描かれているため、鬼太郎をあまり良く知らない人でも楽しめる映画作品となっており、昭和と現代を結ぶ鬼太郎秘話がこの一本の映画に全て詰まっている。
(※こちらの記事は、思いっきり本編のネタバレを含みますので、ご覧になられる方はご注意ください。また、全て個人的な解釈の元で作成した記事となっています。公式様やその他関係者等は一切関係ございません。)


始まりー見えている世界が全てではないー

 -見えている世界が全てじゃないー。この言葉は、ゲゲ郎や鬼太郎がよく口にする言葉でもあるように、私たちの住む世界は、見えているようで見えていない世界が存在している。そんな世界を私たちに教えてくれる映画、それが『ゲ謎』なのではないか。私は、『ゲ謎』は『ゲゲゲの鬼太郎』ファンに捧ぐ一種の長編アニメーションだと考えていた。しかし、劇中でゲゲ郎が「すべて見ようとするからいけないんじゃ。片目を隠すくらいがちょうどいい」と口にしたとき、私はどうもその言葉が心の中で引っかかった。この言葉の意味とは、この言葉が指している事とは、私たちに伝えたかったものとは。私はそんな疑問から何度も映画館に足を運び『ゲ謎』を鑑賞した。そうしているうちに、ゲゲ郎の言う通り、最初は全く気にも留めてなかったシーンが段々、これってこうなるのか、この場面って、、、という風な考えになっていった。見えている世界が全てじゃない、見えない世界だって存在する、それに気づくかどうかはあなた次第。このようなメッセージがこの作品に込められているのかもしない。


激動の昭和31年期ー水木が生きた日本とはー


 昭和31年の日本、戦後復興期から高度成長期にかけ歩みを進めていた時代である。劇中で、謎の妙薬「M」について、帝国血液銀行の社長が水木に「我社の命運を託そうじゃないか」、「企業の戦士達だよ、水木君、戦争はまだ続いているんだ」と言うシーンがあるが、戦争が終わり、現場で戦う戦士の代わりに、企業で働く、企業戦士と呼ばれる人々が生まれ(今では死語になっている企業戦士だが、劇中の中でこの言葉はこの昭和31年期に生まれたものになっている)、このシーンも戦後復興期から高度成長期に乗り出した日本の状況を垣間見る事が出来る。
下にまとめているものは、昭和31年に何が起こったのか、個人的に知っている事を踏まえ、下に表記している。

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