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ジブリの極論と魅力 B eauty logical thinking of the Studio JIBURI.

駆け出しのライターとして出会ったメンバーたちが、毎回特定のテーマに沿って好きなように書いていく「日刊かきあつめ」です。
今回のテーマは「#ジブリ」です。


今回の日刊かき集めのテーマはズバリ、#ジブリ である。 
※ネタバレあり。

ジブリはそれこそ私が生まれる前からテレビアニメーション分野の第一線を走り続けてきた宮崎駿氏を中心とした制作集団である。

◆ヨーロッパ(イタリア)の昔話がネタ元?


私が初めてお目にかかった関連作品はスタジオジブリの前身「ルパン3世カリオストロの城」
ヨーロッパの伝説を舞台にいつものルパン、次元、五右衞門を筆頭としたモンキーパンチの主要メンバー達が暴れまくる。銭形警部なんて埼玉県警のパトカーを欧州で乗り回しているんだから驚きだ。笑ってしまう。 


ヒロインのクラリスがとってもピュアなキャラクターで好感度高く印象に残る。恐らくクラリスは宮崎駿氏御自身がライフワークとして描き続けてきた戦記モノファンタジー劇画漫画「風の谷のナウシカ」のナウシカをベースにキャラ設定したんじゃないかと思う。
漫画の方は人がガンガン死ぬし、大量の虫は飛んでくるしで、結構残酷な描写も多く、大人が読んでも複雑で難解だ。

◆風の谷のナウシカの世界

風の谷のナウシカのテーマはとにかく壮大である。
最近の作品でここまで壮大なテーマを描き切った名作は稀だし、とても面白いので観てない方はぜひ一度観て欲しい。環境問題も含め、諸々考えさせられつつも楽しめるエンタメ作品に仕上がっている。

火の7日間戦争後の廃れた地球が舞台で、人類の居住地のすぐ横にはガスマスクを付けないと歩けない腐海という不毛地帯が広がっている。
ナウシカは風の谷という小さな村で育ったお姫様で、メーヴェという小型飛行機を乗り回し平和に暮らしている。
そこへトルメキア帝国の巨大な軍隊組織がズカズカと乗り込んでくる。

総長は国王の末の妹クシャナ殿下である。このクシャナが何があってもビクともせず、とにかく強い。格好良すぎる。痺れてしまう〜。
じきに段々クシャナ閣下に憧れと尊敬の気持ちを抱くようになった私、鈴木乃。

巨大な組織を率いるクシャナはクールでソツが無く感情に流されない。実の母親が自分の代わりに毒の盃を飲んで気が狂ってしまうシーンも途中で挟まれる。普通の人間としての幸せが許されない厳しい人生には思わず涙を誘われる。
因みに、アニメ映画の設定では戦争の影響で、なんと両腕が無い設定だった。クシャナの恐ろしさを強調したかったのか?

映画は漫画の2巻目の途中で終わっている。漫画は5巻まですったもんだで続く。ひたすら戦争ばかり起き、巨大な虫が次々大量襲来。人々を襲う。

この虫達は、米国ヒッチコック監督の「鳥」から着想を得ているのだとか?とは専らの噂である。

以下ネタバレになるが、最後はクシャナが長兄達に勝利して新しい国家成立。めでたしめでたし、で幕を閉じる。極端にクシャナの国盗り物語なのである。
サラリーマンのオジサンが知ったら超過激過ぎてビックリする結末かもしれない。フェミニストの極致と言っても過言ではない。

女性が男性に快勝するヒットストーリーなんて今まであっただろうか?社会に与える影響が大きいのを懸念したのか、ジブリ様は頑なにナウシカⅡを作らないらしい。(そもそもⅡという制作概念がジブリ様にはないだけかもしれないが。)

ナウシカは戦争が終わって無事、風の谷へ帰っていく。

もしかして、宮崎駿氏は身近のキャリアウーマンになりたくてもなれなかった女性の話を聞いて、ナウシカという作品を思いついたのだろうか?

とにかく女性の強さが際立つ。彼女達は自分の身は自分で守るし、周りも助け、優れたリーダーシップを発揮する。
みてるだけで、スカっと清々しい。

◆ラブロマンスありなし?

因みに、ナウシカはアスベルと恋仲の様に出会うが、その後アスベルは一度も出て来ない。
クシャナに至っては、国乗っとりを画策する「よぉ毒蛇の娘よ」と話しかけてくる隣国の小癪な若い王しかやはり相手役に出て来ない。
ロマンスがまるで描かれないのがナウシカ作品の特徴だ。自力で努力するヒロイン。ブレていない。

◆音楽も魅力

因みにジブリ作品は劇中の音楽を久石譲さんが担当されている。美しい旋律がまた涙と感動を誘う。

◆ジブリのヒロイズム

極端にピュアで人物評価が高いヒロインスタイルが特長だ。リュシータにしろ、ナウシカにしろ、また宮崎駿氏の初期作品「未来少年コナン」のラナにしろ。

◆天空の城ラピュタ

前作ナウシカとは一転、ジブリ2作目「天空の城ラピュタ」は未来少年コナンを彷彿とさせる、少年少女の青春ラブストーリーである。
パズーはシータを何があっても絶対に助けにやって来る。嗚呼、なんて運命の出会いなんだろう。
コナンはチャップリンのような仕草で空を泳いでみせるが、パズーはもう少し人間寄りなキャラクター設定で、しかも孤児の出身だ。試行錯誤の末、シータを迎えに行くパズーの姿は健気である。ソコがまた捉え方によっては全年齢ターゲット層の共感度数が高かった理由なのだろうか?

最近テレビ再放送でもまた盛り上がりをみせ、クライマックスの「バルス」と呪文を唱えるシーンではTwitterやらSNS祭りが盛況だったとか?

◆ジブリ極論の結論

ジブリ様はバランスのとれた酔いも甘いも理解した優秀なコンテンツ制作集団である、という事はとてもよく理解出来る。

キャリアや恋愛に関しても深い洞察力だ。私もついついジブン事化して、憧れてしまう。

男性からみるとジブリの魅力って何だろうか?ぜひ伺ってみたい。メカフェチや壮大な歴史的スケールが魅力なのだろうか?どうなんだろうか?

実際、イタリア地方の昔話に空を浮遊する天空の島ラピュタは本当に都市伝説として存在するのだという。

◆女帝伝説

そうそう!私のこだわり?文学の話も挟んでおかなくちゃ。仏国ゴンクール賞受賞作家アンリトロワイヤ作品「女帝エカテリーナ」実在のロシアの女帝である。彼女は勤勉な王であったという。分かり易い例で、マリーアントワネットと比較してみると、パーティ三昧の生活を送り、国民の顰蹙を買ってギロチン台へ送られたアントワネットとは対称的だ。

女帝エカテリーナは極端に質素で堅実。早寝早起きの読書家であったといわれる。  
因みに両者ともハプスブルク王朝の関係者。所謂遠縁同士か?明暗を分けた2人の人生である。

日本は現在民主主義で、帝王教育と縁遠く馴染みがないが、暴君と名君は紙一重らしい。昔からの言い伝えである。

余談だが、海外の文学賞受賞作品の良著でも日本語に翻訳されていない作品も相当数あるようなので、ぜひ日本の出版社の方々にもっと頑張って頂きたいなあ、なんて生意気にも切なる願いを抱く私鈴木乃である。


→遂に九州にも上陸!ジブリミュージアム!

編集:真央 → 

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