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車両管理&Fintechの新興;Coastが新たな調達成功へ

米国のフリートマネジメントSaaSを展開するCoastは本年に入って連続資金調達を行い、本年だけで1億ドル強を調達。
同社は車両管理に加えて燃料費/車両関連費用のカード利用に係る支払機能も提供しており、Fintech企業としても評価されます。
事業範囲の拡大による評価切り上げは最近のトレンドとして起きており、一つの流れとして注目されます。

1;Coastによる連続調達

 NY拠点でフリート管理/業務管理SaaSを展開するCoastがSeries-Bで4,000万ドルの調達に成功。24/03にVenture-Round;2500万ドル+Debt;6,700万ドルを調達して、わずか4ヶ月で追加調達。同社は[交通の未来のための金融サービスPF]を標榜する
 2021年頃の投資最盛期には短期間連続の調達は一般的だったが、22年のVC不況/低迷以降はレアケースに。
 Series-BはICONIQ Growthがリードし、[既存;Accel/Insight Partners/Vesey Ventures/Avid Ventures]に加え、[新規;Thomvest]が参加。Synchrony Financialは非公開の戦略投資を実行、Series-Bとは別口で出資。また、Discount TireやPep Boysと業務提携を実施

 今回調達で、2020年の創業以来で約1億ドルを確保。Simon氏は最新の評価額について触れないが下記のようにコメント
 -[野心的な成長目標と不確実な資本市場環境を考えると、いま追加資本を投入/確保するのは合理的で、成長の土台になる]

 また、ICONIQ GrowthのGen-PartnerであるYoonkee Sull氏が社外取締役として参加。
 今回の調達資金は[プロダクト開発]と[チーム拡大]に用いられる予定
 (開発) 買掛金の自動現金化や請求書支払サービスの提供などの開発に調達資金を使用する予定である。
 (拡大) 現在の従業員65名を年末までの85名まで拡充する予定

2;Coastのサービス

 Coastはいわゆるフリート管理を提供、車両オペレーター/従業員向けの経費管理ソフトウェアを開発。競合にはRampやBrexがあり、競合と同様に車両管理を行う企業向けに(燃料用)チャージカードを設計/開発。
 かなりニッチな分野だが成長のエンジンとなり、創業者/CEOのDaniel Simon氏は下記のようにコメント(開始ベースが小さいのだろうけど…)
 -[過去18か月で年間収益/決済額の双方で約10倍に成長した]

 Coast はフリート管理する法人/業界全てを顧客とみなしており、フリートカードの保有枚数に関わらず発行、現在の発行枚数は10万枚以上に。サービス業界(空調管理/配管/造園/害虫駆除/建設等)、長距離トラック輸送など物流業界、政府関係機関など
 収益化についてはカードの利用に関して顧客/加盟店双方から手数料を徴収している
 (加盟店) 顧客がカード利用する際に一定の決済手数料を徴収
 (顧客) 当該月の支払に使用されたメインのカード1枚につき、月額4ドルの定額サブスク料金を請求
 Simon氏は事業範囲の拡大を狙っているとコメント
 -[燃料以外の用途でも使うべく開発を加速させており、新しい利用者では燃料以外使用が支出の30%以上にまで増加している]

 ちなみに、7月に顧客が領収書をトレース/ジョブコード照合/取引確認を容易にするモバイルアプリをリリース

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