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春いろの服を買う。
明るい季節を迎えに行きたくて、春の服を買った。若草色、薄桃色、春一番に咲く黄色い花の色。すべて少しくすんだ色味の物を選ぶ。ポップでビビッドな色は、私には似合わないから。
春の服だけれど、半袖の物もある。
カーディガンやジャケットを羽織れば、
夏まで着られる。お得だねえ。
つまり。
私は夏まで生きていると、
信じている証拠だった。
なんて図々しいのだろう。
春の服を買うなんて、
夏まで着られる服を買うなんて。
今年の春や夏は、
何処へ行こう何をしよう。
当たり前のように
ほとんど無意識に
そう考えているのだった。
それを希望と呼ぶ人もいるだろう。
未来の予定を立てて
それに向かって進んでいくことは、
生きる理由になるから。
私も希望を持って生きていきたいです。
とか、卒業式の答辞みたいに。
春の服を買うことに
少しの後ろめたさを感じながら、
私、やっぱり人間なんだ
生きていく意志を持っているんだ
と気づいたのだった。
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くだらないけど
今日、思ったことです。
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