百日紅の花の下。
八月七日の今日は《はなの日》。
満開の百日紅の花が風にわさわさ揺れて、
時々花を零してる。はらりひらり。
夏の少女のワンピースの裾に
縫い付けられたフリルのような花。
紅いろとの対比で
空がいっそう青く見える。
♧
百日紅。
と漢字で書くのが好きだ。
暑さの中でも柔らかく強く、
綺麗な匂いのする漢字だと思う。
けれども、
さるすべり。とひらがなで書くのも
悪くない。
いかにも猿が手を滑らせてしまいそうな
つるつる感が見えてくるではないか。
あの木の幹は
撫でると本当にすべらかで
うっとりする。
太陽は疲れ知らずで照りつける。
暑い夏に木陰をくれる大木の下で、
蝉時雨の雨やどり。
晴れた空いっぱいに響き渡る
夕立みたいな蝉の
声声声。
見上げた百日紅の花は
どこ吹く風で受け流す。
木の下で飲む一杯の麦茶が
やけに美味しかった
立秋の午後のこと。
暑い夏はまだまだ続く。
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文章を書いて生きていきたい。
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紙媒体の本を創りたい。という目標があります。