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#現代詩

過程

例えば、カフェオレが出るまでの過程。

感情は相変わらずかき乱されるよ、君みたいに。

昼の顔と夜の顔を使い分けるのはわたくしだけではないでしょう。

高校生の時みたいな感傷はいずれ忘れるなんて、嘘だったね。未だ渦の中にいるよ。

私は感性だけで生きていて、考えることをやめてしまっている。

例えば、カフェオレが出るまでの過程。

学校帰りの私は本当に本当の私でしたか。

ノートに書き殴られた乱文

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balloon

「私には、少し休憩が必要だね。」

私はわたしに言った。

夜中に過食が止まらなくて、

「それで幸せですか?」

と、主治医に言われた。

内科の薬が出されることになるかもしれない。

そんな時、「ダイエットテラピー」というハーブティーと出会った。

薄い紅茶で、ほのかに甘くて、いい香りがする。

久しぶりに自分を甘やかした気がした。

夜中に食べているものは、眠くて味が分からない。

でも、日

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紅茶

嫌いでもいいよ。

ティーカップにコーヒー淹れて

苦くて飲めなかったりして

牛乳入れたら

全く違うものになって

ブラック・ティーは飲めるのにね

あの人はそう言って笑った。

形式

みなが些細なことという
とてもとても大きなものに
わたしは支配されていたのです

丸く小さくなって
境内にいました
お賽銭を投げることも
ままならないまま

新緑が芽吹く頃
わたしは衝動に駆られていました
わたしは顔を洗って
ルイボスティーを飲み干します
香りが香水みたいで素敵
そしてわたしはあそこへ向かいます

甘いお菓子と紅茶だけで生きられたら
なんて幸せでしょうか
甘いものには辛いもの
世の

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少女漫画

欲しいものリストをメモ帳につける。

ジェットストリームのブラック。

ハイテックの0.5ブラック。

高価なものはコンタクトのワンデイ。

私は日々消費していく。

日々を消費していく。

ステイ・ホーム。部屋がクラブ会場と化す。

少女漫画をふと読み返す。

ヒロインの不遇さと自分の心が共鳴し合う。

不遇さを消費する私に呵責の念が生まれる。

せめて、最後はハッピーエンドで。

カルテ1

1.私は常に不安と恐怖の中にいた。

2.私は常に監視されていた。

3.それを妄想だと認めづらい。

水中 深く 遥か ギターを弾いている 少女のままで

beer 飲みたいけど 泡しか飲めないの

T-Shirts 背中には 白黒のマーメイド

死にたいあなたがいて

死にたかった私がいて

もっと生きたかったかもしれない

あの人がいる

渋谷も最近行ってないな。

GUCCIのTシャツ着て

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かぼちゃの馬車

全てはかぼちゃの馬車から始まるの。

ガタゴト言う間に ボルドーのリップを塗って

肌にパールとピンクを仕込む。

ドライヤーは通販で悩んで買ったのを使うわ

かぼちゃの馬車にはコンセントが付いてるんだもの。

ドレスに着替えて御機嫌よう

アイスクリームが食べたいわ そして甘い甘いキスを

女の子なら顔立ちなんて関係ない

みんなお姫様になれると思うの。

いつかあなたに出会えるまで

私は か

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サンシャイン

あなたもない?

映画館を出る時に

違う私に生まれ変わっていること

外に出てホテル街に入るカップルを見て

愛おしく見えたこと

ー普段聴かないクラシックが

頭の中でリフレインしていたー

人類も世界もこんなに美しくて

それでも争いは絶えなくて

遠い国の話じゃない

ーあなたを受け入れられたらー

拡声器から鳴り響く

ー私はずっと戦場だと思っていたのー

でも 戦場なんかじゃない

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乖離

私は生まれた時から死に向かっている

緊張し続けて破裂しそうだった

軽音楽を私なりに呑み込んで吐き出した

炭酸水でうがいした

ー苦しんでいるのは極上の幸せのためー

幼いままアップデートされていくの

今の私の立ち位置どこ?

スレ違いは当たり前

だけどオールライトな気がしたの

渋谷で外国人に道を聞かれた

ぶしつけにし答えられなくて

もっとイングリッシュ勉強しようと思った

叩かれた

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未成熟な私は自閉的で

殻に籠ることで自分を守っていた。

誰よりも当事者意識が強く

それ故 逃避したかった。

逃げることばかり考えていて

我慢することに耐えられなかった。

ただ 大人しくしていればいい

それだけだったのに。

未成熟な蕾は

花びらを取りこぼさないように

頑丈なガクを作った。

豊満な花が咲きこぼれることを

実は望みながら。