移住に関する卒論を書いた。
私は学生生活4年間で卒業論文を2回書き上げました。
最近書き終わった大学での卒業論文は、
『田園回帰する人々 ー鳥取県智頭町タルマーリーに就職した移住者に着目して』
という題名で卒業論文を書きました。
田園回帰とは、都市から地方への移住のことです。私自身、移住に興味があったのでこのテーマにしました。
また、鳥取県智頭町にあるパン&ビール屋のタルマーリーにも興味を持ち、インターンをすることも決まっていたのでちょうど良いなと思って。
卒論の内容。
最近都市から地方へ移住する人が増えているという社会現象に着目しました。特にコロナ禍を経て、リモートワークができるようになってから東京に近い、自然がある場所に移住する人が増えているように感じます。実際にコロナ禍を経た2021年、東京都23区は2014年以降初めて転出超過になったそう。
このように都市から地方に移動する行動を田園回帰と言われています。2015年以降、公の政策文書でも田園回帰という言葉が用いられるようになりました。
最近では、田園回帰の中でも特にライフスタイル移住という移住に関心が集まってきています。ライフスタイル移住とは、自分のライフスタイルの追求や目標や夢を達成したいというポジティブな目的があって移住する移住のことを言います。
今回は鳥取県智頭町のタルマーリーに就職するために移住してきた移住者は、ライフスタイル移住をしてきているのか、それともほかの理由があって移住してきているのかを調査しました。一か月間インターンをしながら参与観察し、インターン終了後に何人かインタビューさせてもらいました。
なぜタルマーリーに就職するために移住してきた移住者に着目したか。
移住者の多くが『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』という、タルマーリーのオーナーが執筆した本を読んだことをきっかけに働いてみたいと考えていた。その本は、資本主義の弊害や環境問題、農薬や化学肥料の問題について考えさせられるような本だった。移住者がこの本に影響を受けて移住しているのならば、ライフスタイル移住とは言えないのではないかと考え、彼らを対象とすることで移住者は本当にライフスタイル移住を行っているか実証できると思ったからだ。
調査結果としては、ライフスタイル移住は見られた。
移住者は、タルマーリーで経験を積んだ後に地元に戻ってタルマーリーと同じようなお店を作りたいと思っていたり、食料を自分の手で育てられるようになりたいと思っている人などがいた。
しかし、その考えの背景には「生まれ育った地元の活気がなくなるのがさみしい」という思いだったり、将来食料危機や都市で環境問題が起きたときに地方に住んでいた経験を役に立てようという考えや、自分で食料を確保しておきたいという思いがあった。
移住者本人は自分が求めているライフスタイルの追求はしているが、その背景にはネガティブな理由もあったということが分かった。
今回の研究を通して、私自身が移住したい理由は田舎でやりたいことがあるというライフスタイルの追求があったが、その背景には環境や社会の変動、農薬や化学肥料に汚染されてしまっている野菜に違和感を感じたことも背景にあるということに気が付きました。またより一層、都市ではなく少しは自然がある所で暮らしたいという思いがより強まりました。
約一年間を通して書いた卒業論文が無事に書き終わってよかったです。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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