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「二番目の悪者」の意味
あなたが誰かに伝えたその話は、誰から聞いたのだろうか。
家族から?友人から?TVから?SNSから?
物語の最後で野ネズミがつぶやく。
「僕は聞いた話を、友達に教えてあげただけなんだよな。でも、自分の目で何か一つでもたしかめたっけ・・・」
考えない、行動しないという罪。
「無」関心が
「無」意識が
「無」知が 引き起こす悲劇。
どうしてこんなことになったのか。僕は、私は、何もしていないのに。
何もしていないのに、ではなく、何もしていないから。
金のライオンの他には悪意のあるものなど誰一人としていなかった。
一番悪いのは金のライオン。だけど、二番目に悪いのは?
二番目の悪者は、何が罪であるのかを深く考えさせるいわゆる大人向け絵本だ。
登場人物は動物ばかりだけれど、空想の絵本ではない。むしろ、動物に人間役をしてもらっている、ノンフィクションといえる。
抽象度の高い問題を動物の世界で具体化し、さらに「それ」が自分の中へ、それぞれの立場や環境に変換されて、強烈なメッセージとして流れ込んでくる。
小、中学校での読み聞かせや、大学の図書館からの大量発注、社会人1年生に読んでもらうなど、幅広い世代に受け入れられているのは、当事者として考えやすい要素が含まれているからに違いない。
「嘘は、向こうから巧妙にやってくるが、
真実は、自らさがし求めなければ見つけられない」
物語の中盤で、全てを見ていた雲の言葉。
だからこそ真実は尊いのかもしれない。泥に沈んだ砂金のように。
白が黒にたやすく変わってしまう世界に住んでいるわたしたち。
メッセージとしてわたし自身が受け取ったのは
「伝える」を意識化すること。
ただ転送する、シェアする、リツイートするのではなく、自分の言葉を添えてみる。
他人事ではなく、自分ごとにする第一歩は、「わたしはこう思う」という主語を大事にすることではないだろうか。
参考note
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