読書記録『夜行秘密/カツセマサヒコ』

!ネタバレしかないのでご注意〜〜!

インスタでこの本をおすすめしている投稿を見たことがきっかけで読んだ。

構成

ほとんどの章が一人称で語られ、物語が進むにつれて人間関係や出来事の因果関係が明らかになっていくという構成。

主人公

章ごとに語る人物が変わっていくから誰が主人公なのか明確にはわからないけれど、私は岩崎凜が主人公だと思った。
岩崎凛が殺される事件はこの物語にとって核心的な出来事だから。

内容

この物語は一言でまとめると憎しみの連鎖と愛の終始を描いた物語。
でも私は人を憎んだことがないから憎しみに対しては共感する以前に興味も持てなかった。
愛が始まって終わっていく様子もそんなに意外性はなくて、私が知っている範囲内という印象だった。

この本の中で一番好きな章は10章チューリップ。
ナツメとメイが出会って別れるまでが描かれている。

「恋人に全てを晒すのって、そんなに難しい?」

メイのこの言葉がすごく無神経に感じた。
私にとって全てを晒すことは、恋人に限らず相手が誰であっても難しいことで、
それはナツメにとっても同じなんだと思う。

ナツメがメイに対して思う「あなたにはわからない」がこの本の中で一番共感できた。

全部読み終わってからこの小説の原作がindigo la Endのアルバムだってことを知って聞いてみた。曲の歌詞の意味とかストーリーとか私には全然理解できなかったけど、これを原作にこんなストーリーの小説が書けることに驚いた。小説と曲の内容は全く別物のように感じるのに、小説には曲の歌詞のフレーズがところどころに使われていて、そのフレーズをそんなふうに使うんだという感動もあった。

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