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すっぱい梅を求める夏 #ume cafe WAON
望めば何でも手に入る東京は刺激が多くて楽しい一方で、そんな環境にばかり身を置いていては感覚が麻痺して、大切な何かを失ってしまいそう。そんなことを無意識に思ってか定期的に大洗まで来る。内向的でネガティブ(だと思っている)な私は海の見えるここで考え事をすることが多い。"大きなものを前にして自分の悩みがちっぽけに見える"ことはないが、思考を遮るノイズのない海の前なら頭が整理されやすい気がするからだ。
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平日の大洗は人がほとんどいないので駐車場も自由に使える。隣の駐車ロットにイスを、輪止めの上にスピーカーを置いて準備完了。ローテンポな曲を適当に選んでスマホに繋ぐ。東京でこんなことをしていたら人の目が気になってしまうが、ここは人がいないので本当に自由。
夏は始まったばかりだというのに怠惰な私はエアコンに頼ってばかりで、もう既に人工的な涼しさに嫌気が差してきたところ。自然の海風は人間の体温を気遣ってくれるかのような温度感で肌を通り過ぎていく。強すぎるくらいが心地よい。
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大洗でのルーティーンはほとんど確立している。お気に入りの寿司屋でまぐろ丼を食べるか、この場所で何かをテイクアウトして食べるのがお決まりだ。今シーズン初の大洗は涼しく、すっきりしたい気分。この近くに天保元年創業の梅干し屋が運営するカフェがある。大洗の夏には梅の酸味を合わせよう。
露茜(つゆあかね)の酸味は涼しさを一層加速させ、ソーダのしゅわしゅわが暑さを蒸発させた。海と青空を一人占めできるプライベートビーチ&カフェ。太陽と大洋のエグゼクティブラウンジ。
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梅専門店のおにぎりはもちろん梅だけなのだが、9種類の中から好きな味を選べるのが楽しいところ。甘く漬けたもの、塩辛く漬けたもの、香りを漬けたものまで色々。なんとなく海に合わせて「かつを三年梅」を選んだ。
注文してから握ってくれる具なしのおにぎりと別付けの梅。口内炎にしみて痛いくらいの塩味と酸味をおにぎりで和らげる。ごはんの温かさにつられて上がる磯の香りと、生臭さを感じさせないシソの風味が口内で混ざり合わさる。
梅の酸味は考えすぎた脳内をリセットする治療薬。飲みながら、食べながら、積み重ねた考えを溶かして海に流してくれる気がする。
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リセットされた頭に穏やかなエッセイを流し込む。風も強くなってきたので車内でページをめくる。完全プライベートの移動式書斎、今日、この時間の背景は満潮に向かう太平洋。家やカフェで読むよりも捗る。
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1000円以下で時間も、人の目も気にせず"整う"場所はそう多くない。次の大洗はいつにしようか。多分、またすぐ来ることになるのだと思う。
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大洗のもう1つの定番↓