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雑文・差入そして飛翔ー漫画版『ウィングマン』を読んでみた

※画像は桂正和『ウィングマン』単行本3巻より


 家の事で協力していただいている方に差し入れする機会があった。気が利かないなどと一部で言われる私ですが、このくらいの事はちゃんとやっているのです。最近は色々言われることも多いですが、それなりに清く正しく生きているつもりです。人生最大の生き地獄とも言えた10月をなんとか終え、延長戦ともいえる11月を半分を過ぎましたが、まだまだメンタル面は不安定で、これまでの拠り所であったものを失ってしまったのが痛い。小説、詩、短歌、なにかしら創作しようと考えるも、うまいこと筆が運ばない。ネタとかはそれなりに思いつくのであるが、文章化するとなるとなかなか困難な状況である。書ける時は書けるので、今は待つしかない。

 夢を実現化するためには、書くしかない、と言われたが、その話を聞いて最近ドラマ化した桂正和先生のウィングマンを思い出してしまった。私がリアルタイムでジャンプを読むよりも前に連載されていた漫画ではあるが、「ドリムノート」という書いたことが現実化するノートが作中に登場することは知っていた。桂正和先生といえば、やはり電影少女やI'sなどの恋愛漫画路線の印象が強いですが、一方で変身ヒーロー物路線も得意とし、連載デビュー作であるウィングマンの他にシャドウレディ、ZETMANなどがあります。私はやはり少年の日に読んだ電影少女の印象が強いです。とにかくエロい! エロかった! 当時の少年ジャンプの中では突き抜けた性描写だったイメージが強く残っているのですが、最近序盤の部分を読み返してみたら、性描写より主人公のイケメン親友がめちゃめちゃいい奴で、細部の丁寧な心理描写に今更ながら気付かされました。主人公もいいやつなんですよねえ。最近のラブコメ漫画は、テンプレからいかにズラしてオリジナリティを出していくかみたいな、テンプレありきで非現実的なのは当たり前! 的な、リアリティとは無縁な方向性の漫画が多いんで、地に足のついた作風の電影少女は、今読むと発見が多いですね。I'sは私がリアル高校生だったときに連載していて、ストーリー的には地味目だったものの、画力はピークに達していた感があり、単行本でアレが解禁!的な最近ではお馴染みのシステムが確立したのは、この漫画からだったと記憶しています。後に矢吹先生のToLOVEるに受け継がれました。あと、DNA2も巻数は少ないながらも完結後にアニメ化され、オープニングがL'Arc〜en〜Cielのデビュー曲、エンディングがシャ乱Qのシングルベッドという凄まじい布陣だったのを覚えています。ウィングマンのゲーム版が、ドラクエのすぎやまこういち先生の初のゲーム音楽作曲だったりと、メディア化の際のスタッフには恵まれていますなあ。

 そんなわけで、いまだちゃんと読んだことはウィングマンを漫画アプリで無料で読めるとこまで読んでみました。さすがに40年前の漫画だけあって、現代の価値観から見るとおかしなところも多く、授業中にヒーローになりきって自作の衣装を着て変身!とかやり出すのは、いくら中学生でも無理があるだろうとか、80年代前半の内輪的なノリがきつかったり、変なところで一話が終わったり、構成がグダグダだったり、あのマシリトが担当編集だった割には、完成度的には?な所が多いのですが、別の次元からやってきたヒロインあおいが登場すると、魅力的なSF設定が次々に登場し、飛躍的に面白くなっていきます。夢を実現化させるドリムノートに、主人公広野健太自ら書いたヒーロー、ウィングマンに変身し、敵に対抗するために武器やサポートアイテムなども自分で考えて、ただしそれだけでは普通の少年である主人公には身体の方が耐えられないので、鍛錬などの努力もしなければならない。この、主人公の想像力と努力で敵に対抗していく! というのは、やはり胸を熱くさせるものがあります。ちょっとつり目でキツめの顔立ちのあおいちゃんの魅力が際立っていて、異次元からやってきて地球の主人公と同居することになり、同じ学校に通うってのも、今ではありがちな設定ですが40年前は斬新だったんでしょうね。学校には、最初から主人公に好意を寄せている正ヒロイン的存在の小川美紅(当時の魔法少女アニメっぽいデザイン)という子がいるんですが、キャラ立ちしまくったあおいに比べると地味すぎて負けヒロイン感が半端ない。モブキャラ的に登場したヒーロー部のメンバー、ピンクこと桃子のほうが遥かに魅力的であおいや主人公の使う超能力ディメンジョンパワーを与えられ、戦闘要員とまでなってしまう。この最初は普通の人だったキャラが、物語途中で力を与えられバトルに参加するようになるって展開、私なんか好きなんですよね。ジョジョ4部の広瀬康一とか。後にこのディメンジョンパワーは、正ヒロイン美紅ちゃんにも与えられ、生命の危機に陥った際に、ドリムノートの力で覚醒するのでした。やったね美紅ちゃん! さらに、新聞部の女梨元(この時代から既に有名だった梨元勝はすごい)と言われるメガネ担当の布沢久美子までディメンジョンパワーを与えられて、この4人でウィングガールズを結成することになるのでした。久美子さんは変装姿が、江口寿史先生の『ストップ‼︎ひばりくん!』のひばりくんに似てますが、狙ってやったのだろうか。ウィングガールズの件までは、まだ読んでないのですが桂先生は本意ではなくマシリトが強く推したらしい。ヒーロー物に、複数ヒロインのハーレム漫画の要素を加えたマシリト、さすが先見の明がある。最近の実写化に合わせてコミカライズされてましたが、春場ねぎ先生辺りがリメイクしたら面白そうだと思ってしまいました。私はやっぱり、あおいちゃんとピンクさんがよいと思いました。でも実写版の美紅ちゃんは、菊池姫奈だとか。漫画版よりえらいパワーアップしたな!(一部が)

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