シェア
眞水清輝
2024年10月17日 14:51
※2012年に執筆された作品です -3- 俺が初めて森野美鳥と出会ったのは、今から2年前の9月1日のことだった。東京駅地下、銀の鈴広場の前でただひとり呆けた顔で例の巨大な鈴を見上げていた少女。それが、森野美鳥だった。 「よう。東京に来るのは初めてか? そんなに、その鈴が面白いか?」 俺は、動物園のパンダでも見るかのようにオブジェの鈴を見る美鳥の姿が面白くて、自己紹介するのも忘れ