ダイエットが停滞した時の5つのチェックポイントと2つの切り札
こんにちは、ユウ(Twitter:@supps-jiten)と申します。
自身が理系の大学院卒であることからもわかるように根っからの理論派です。筋トレやダイエットにまつわる様々な説、理論を検証するのが好きで、様々な文献を読んでは、それを私が運営する「サプリ辞典」というサイトで発信しています。
このサイトではサプリメントや美容品の通販サイト「iHerb」のセール情報を紹介しています。
※今回、ここで紹介するのは普通のPFCバランスで行うダイエットです。ケトジェニックダイエットや断糖高脂質ダイエットに関しては言及していないのでこういったダイエットをしている方は参考になりません。
ダイエットが停滞したと思われる方はまず以下のポイントを見直してみてください。
当記事ではダイエットの停滞を脱出するための切り札を紹介していきますが、まずはこれらのポイントがしっかり出来ていることが前提となります。切り札は最後までできるだけとっておくべきです。
タンパク質の量が足りているか
タンパク質を多く摂取する理由は大きく2つあります。
まず1つ目は筋肉の成長を促すこと。筋肉は1㎏あたりで14kcalの消費となります。ここで「たった14kcal?」と思われるかもしれませんが、筋肉にはもう1つ重要な働きがあります。それは糖質の貯蔵庫としての働きです。
糖質はインスリンヒエラルキーに従ってまずは筋肉、肝臓に蓄えられ、その後に余った分が体脂肪になると言う側面があります。したがって、筋肉が大きければ大きいほど貯蔵庫の量が増えるので、摂った糖質が体脂肪になりにくくなるのです。
糖質を少し摂っただけで太る。という方は大半の場合が筋肉不足です。しかし、糖質は1gあたり3g水と結合し水分量による体重増加に繋がりますから、自分が本当に糖質が体脂肪に変換されて太っているのか、ただ水によって浮腫んで太っているだけなのかは見極めなくてはなりません。見極め方については私のサイトで詳しく紹介しています。
タンパク質を多く摂る2つ目の理由は食事誘発性熱産生(DIT)です。
食事誘発性熱産生とは食事によって消費されるエネルギーの量のこと。食事はカロリーを摂取するだけの行為と思われがちですが、咀嚼によるカロリー消費と消化による内臓のカロリー消費などがあるためカロリーを消費する行為でもあるのです。
よく噛んで食べなさいというのは消化の観点からではなく顎の動きを多くして、そこでの消費カロリーを大きくするという働きもあるのかもしれません。咀嚼も1種の運動なんですね。
さて、ここで消化によるカロリー消費に目を向けると三大栄養素で大きく異なります。炭水化物と脂質は食事誘発性熱産生が5%未満なのに対し、タンパク質は30%近くもあるのです。
食事誘発性熱産生でどれくらいエネルギーを消費するかは栄養素の種類によって異なります。たんぱく質のみを摂取したときは摂取エネルギーの約30%、糖質のみの場合は約6%、脂質のみの場合は約4%で、通常の食事はこれらの混合なので約10%程度になります。食事をした後、身体が暖かくなるのはこの食事誘発性熱産生によるものです。
e-ヘルスネット|厚生労働省 より
つまり、同じ100kcalの摂取でも炭水化物と脂質はそのままほぼ100kcalとして入ってくるのに対し、タンパク質は実質70kcal程度しかエネルギーにはならないということ。
同じカロリーを摂取したとしても体内で3割がカットされるので実質のカロリーは少ないと言えるのです。この3割のカロリーはどこに行ったかと言うと、たいてい体内での熱に変換されています。これはタンパク質が他の栄養素(炭水化物と脂質)に比べて分子構造が複雑で消化により大きなエネルギーを必要とするからと言われています。
さて、具体的なタンパク質の摂取量としては体重㎏×2gほどは摂りたいところです。つまり、体重60㎏なら1日120gほど。
かなり大量に思われるかもしれませんが、これくらい必要でしょう。ただし、この場合の懸念点は腸内環境の悪化です。タンパク質は悪玉菌のエサになる場合があるので腸内環境の悪化が危惧されます。オナラが臭い、便が臭うといった場合は要注意。
また、DITを生かしてさらに効率よくダイエットしたいと思うのであればタンパク質をさらに増やしても良いです。実際にタンパク質を1日に体重㎏×2.3g摂ったグループと3.4g摂ったグループなら後者のグループの方が同じ摂取カロリーにも関わらずダイエットが進んでいた。という研究結果があります。しかし、この場合も腸内環境の悪化には注意してください。また、この研究は筋トレあきりの研究結果なので筋トレと併用しない場合は思ったような効果が得られないかもしれません。
腸内環境の整え方については別の記事に書いているので参照ください。
炭水化物は足りているか
さて、タンパク質の次は炭水化物です。
タンパク質は食事誘発性熱産生は多く炭水化物は少ない。と言ったことを先ほど書きましたが、炭水化物は悪者というはわけではなく、炭水化物も重要です。
炭水化物は先ほども書いたようにインスリンヒエラルキーの働きに従って筋肉と肝臓に優先的に蓄えられますが、ここではそれぞれ筋グリコーゲン、肝グリコーゲンと言った形で蓄えられます。
肝臓の燃料となる肝グリコーゲンが満たされていない時、人間は食物不足の危機だと感じ代謝を自発的に下げる場合があります。具体的には体温を少し下げたり、体をダルくして運動量を減らしたりして消費カロリーを少なくします。これはかなり痩せにくい状態です。
つまり、炭水化物もある程度摂って、肝グリコーゲンを満たしておく必要があるのです。
とはいっても、ダイエット中は食事量が減りますから、肝グリコーゲンは満タンではなくて当然です。逆に満タンなら「ダイエットする気あるの?」ってレベルです。
じゃあ、どの程度満タンにすればよいのか、空っぽではなく満タンでもないちょうどいいバランスはどの辺なのか?については後述します。チートミールが有効です。
タンパク質と炭水化物の摂取量の設定方法については別の記事で詳しく解説していますのでそちらをご覧ください。
この際、炭水化物が1日100g未満にはならないように。これは赤血球が必要とする炭水化物の量から導かれる摂取量で、その人の性別や体重は関係ありません。必ず100g以上は摂るようにしましょう。
炭水化物と脂質を一緒に摂っていないか?
ここまでタンパク質と炭水化物が大事だよ。と述べてきましたが、脂質はと言うと脂質も当然大事です。
しかし、摂取方法にちょっとした注意点があります。
炭水化物と脂質を同時に摂取しないことです。詳しいメカニズムは割愛しますが炭水化物と脂質を同時に摂ると太ります。つまり、かつ丼、ハンバーガー、油が多いソースを使ったバスタなどは最悪です。パスタはパスタでも脂質の少ないもの、ラーメンも醤油ラーメンのようなあっさりしたものを選ぶようにしましょう。
腸内環境は良いか
次のチェックポイントは腸内環境です。
デブ菌やヤセ菌みたいなキーワードは眉唾ものですが、腸内環境がしっかり整えられていると痩せやすくなります。実際に私も同じカロリー、同じ生活習慣でも腸内環境が良かった時と悪かった時では痩せやすさが全く違いました。
人間の胃や腸は寝ているときでも絶え間なく動き続けています。つまり、エネルギーを消費しているのです。しかし、これらの働きが弱まってしまったらどうでしょう?せっかく24時間絶え間なくカロリーを消費するチェンスなのに、もったいないですよね。
それが24時間、1週間、1か月と繰り返されていくのですから、かなりの消費カロリーの差として出てきそうです。腸内環境が正常で胃や腸がしっかり働いていることはダイエットする上での最低条件です。
腸内環境に関しては個人差が大きく、あまり口コミや他人の経験談は信用できません。以前、これだけの方法を試せばどれか1つくらいは当たるだろうと腸内環境を整える8つの方法を紹介しておりますので、ぜひ併せてご覧ください。
有酸素運動をやりすぎていないか?
最後のチェックポイントは有酸素運動に関してです。
有酸素運動はやればやるだけカロリーが消費されます。そのため、長い時間やってしまいがちですが、それはNG。
なぜなら、有酸素運動は筋肉を削るからです。有酸素運動中はエネルギーを必要としますが、そのエネルギーは筋肉を分解して得られることがあります。また、有酸素運動は筋トレに比べて大きな筋肉を必要としないので体が「筋肉は必要なし」と判断して分解してしまうのです。筋肉が減ることは痩せにくい身体になるというのは先述した通りです。
ではどうすればよいか。まずは長時間やらないことです。できるだけ30分以内で終わるように。巷では
・グリコーゲンが枯渇しないので有酸素運動は20分以上やって初めて脂肪燃焼が始まる
・20分以内の有酸素運動は意味がない
などと言われていますが、嘘です。
最近の研究では短い時間の有酸素運動を断続的に続けても1回の長い時間やったのと変わらない効果が得られることがわかっています。
つまり、10分の有酸素運動を3回やるのと、30分ぶっ続けでやるのは同じです。自分の続けやすい方を継続しましょう。
さらに、有酸素に加えて筋トレを始めて見ましょう。筋トレは後述するアフターバーン効果が得られることから痩せやすい状態が作れますし、筋肉も増えるので痩せやすい身体が維持できます。
ダイエットが停滞した時の切り札
まずはこれまでに書いたチェックポイントを確認していただき、全部クリアできている、それでも停滞したという方は以下の切り札をご覧ください。逆に、これまでのチェックポイントが満足に出来ていないのに切り札を使うのはもったいないです。
最終手段となるような切り札は最後に残しておくべきです。かめはめ波や元気玉を初っ端から連発する悟空はフリーザに勝てないでしょう。それと同じです。
アフターバーン効果を利用する
アフターバーン効果とは運動後でもカロリー消費が普段より多くなる現象の事です。
例えば、100m全力ダッシュをやったとしましょう。走った後は息が上がり、体温も上がり、当然酸素の摂取量も上がっています。このような時カロリー消費量も増えており、実は人間の気付かない所でこの現象は最大48時間も持続しているのです。
つまり、運動後は運動していなくても48時間痩せやすいモードに入っているということ。これをアフターバーン効果と言います。
しかし、このアフターバーン効果は最大限まで心拍数を上げたり、限界まで筋肉を酷使したりすることが重要になるのでいわゆる有酸素運動(ジョギングやランニングなど)では起こりません。
アフターバーン効果を最大限に活用するためにはHIITや筋トレが良いでしょう。HIITの方が効果は高いですが、かなりきついのでまずは有酸素を筋トレに変えることを心掛けてみましょう。
チートミールを入れる
肝臓のグリコーゲンが減っていると体が守りに入ってしまい代謝が落ちてしまうというのは先ほど書いた通りです。そのため、時々肝臓のグリコーゲンを満たしてあげるように糖質をたくさん食べることが有効です。
この場合、糖質は糖質でも肝臓で代謝される「果糖」を優先的に食べるようにすると良いでしょう。つまり、あえて果物や砂糖をたっぷり使ったケーキなどを食べるのです。とはいっても、ケーキは砂糖以外にも脂質が多く、糖質と脂質のダブル摂取はNG。なので、フルーツや和菓子(大福やようかん)をメインに食べると良いでしょう。
ここで私がいわゆるチートデイではなく一食だけのチートミールを勧める理由は食べ過ぎ防止です。1日中食べてよいとなれば食べ過ぎてしまうことは目に見えているので、どこか一食だけ果物や和菓子を多く食べるタイミングを設けましょう。
オススメは筋トレ後。筋トレ後はインスリンヒエラルキーが効率よく働いており、食べた糖質が脂肪になりにくいタイミングなので、筋トレ後のご褒美に和菓子やフルーツがオススメです。
頻度としては1~2週間に1回くらいが良いでしょう。この頻度は体脂肪率によって異なると言われています。体脂肪率が低ければ低いほど多くの頻度でチートミールが必要です。それでも週1回以上は行わないように。長期的な目線で見た場合の摂取カロリーが多くなり、ただの食べ過ぎになってしまいます。
私は週に3回筋トレをしていますが、週に1回強度の高い脚のトレーニングをした後にエネルギー補給を兼ねてチートミールを入れることにしています。
当然、チートミールを入れる日は1日の摂取カロリーが多くなりますが、調整は不要です。そのためのチートミールですから。1日+1000kcal以内ならOKでしょう。(フルーツと和菓子で1000kcalも食えるか?って話ですが…)
さて、このnoteではダイエットを成功させるための5つのチェックポイントと、ダイエット停滞時の2つの切り札について紹介してきました。
この切り札で停滞を脱出しました!チェックポイントを見直したら体重が減り始めました!と言う体験談があればぜひコメントしてください。励みになります。
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