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【小説】バカで世界デビュー(1476文字)
自分は親に夕飯のおつかいを頼まれてスーパーに行った。そしてメモに書かれている食材を探している時だった。
「ん?」
何故かスーパーの棚に自分の模試の結果が置いてあったのだった。
「もうなんで最悪だ!? 最悪だよー! 」
そこには29点の英語のテストがあったのだ。見られたら最悪な点数だ。
「いったい誰がこんなひどいことをしたんだ!」
自分はすぐに29点のテストの紙をくしゃくしゃにしてポケットに入れた。なぜこんなところに、しかも自分のテストが置いてあるのだろうか?
そんなことを考えている時だった。周囲から笑い声が聞こえる。なんだろうと思って笑い声のした方へ行ってみると、そこには自分のテストがスーパーの掲示板みたいなところにたくさん貼ってあった。
「あああああ!!!!!!!!」
全てのテストにちゃんと自分の名前が刻まれていた。じっくり見てみると期末テストの結果の点数が書いてあった。
英語は35点で物理は4点だ。テストは自分の名前付きで書かれていた。それでみんなクスクスと見て笑っていたのだった。
自分は恥ずかしくて恥ずかしくてしょうがなかった。もう誰か自分を殺してくれと思った。
自分は死にたくなりながらも全てのテストを回収した。そして顔を真っ赤にしてスーパーを出ていたのだった。
もう最悪だと思いながら早く家に帰るために早歩きをした。だがしかし、さらなる困難が待ち受けていたのだった。
そうなのだ、外にも自分のテストが張り出されていたのだった。どれも赤点ばかり、もしくは赤点スレスレのテストばかりであった。
もう本当に涙目になりながらテストを片っ端から回収していた。今までやってきたテストが全て晒されていたのだった。
「どうしてだ、どうしてなんだよ!」
もうどうしようもないから泣きながら家に帰った。ただ家に帰る途中滑って転んでしまった。そしてまた笑われる。
もうそこで大泣きしてしまった。そしてまたもやみんなに大笑いされたのであった。
家に帰るとテレビがついていたので見てみる。すると自分の名前が大々的に紹介されていた。
赤点のテストがたくさん晒されていて「バカですね」と笑われていたのだった。とんでもなく恥ずかしいニュースだったのだ。
「あああああ!!!!!!!!」
もう本当に自分は頭がどうにかなりそうだった。きっと好きな子にも自分がバカだということをバレてしまったんだろうな。
こうして自分はバカで全国デビューをしてしまうのだった。SNSではすぐに自分は特定されてしまった。
特定班恐るべしといった感じだ。そして自分の名前はバカの代名詞みたいな感じになってしまった。
自分の名前は海外でも知れ渡り、馬鹿で頭の悪い人を指す時は海外でも自分の名前を使うらしい。
もう自分はこれからどうやって生きていこうかそんなことばかり考えていた。ニュースにも出たことにより同級生にもこの情報が入り馬鹿にされるようになって学校には行けなくなってしまった。
「誰か、このクソバカな自分を助けてください」
何ていう時期が僕にもありましたね。今は開き直って世界一のバカとして世界に羽ばたいて活躍しています。
今は馬鹿で飯を食っています。みんな、短所は長所になる可能性を秘めているということだけは忘れてはいけない。
馬鹿だって使いようによっては十分ビジネスになる。みんな人生でどうしようもなくなった時、この馬鹿の自分を見て笑ってください。
そして笑ったらまた明日に向かって頑張ってください。このバカな自分が人類の希望となります。
自分が太陽となり明るい光で照らしてあげましょう。