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大全集無視の戦闘力考察⑯~16号、17号吸収セル、天津飯~【ドラゴンボール考察】

*題画出典:ドラゴンボール完全版25巻

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前提

  • ドラゴンボール大全集やその他設定資料、アニメ版、劇場版、ゲーム作品、超などの続編作品、鳥山先生の談話等は無視し、原作漫画版の描写のみを正とする。(ただし、作中に判断材料が無い場合は参考に用いる)

基準

  • 全く手も足も出ず瞬殺される場合は1.8倍以上の差があるものとする。

  • ある程度戦えてはいるが勝ち目が薄いと思われる場合は1.4倍前後の差があるものとする。

人造人間16号の戦闘力

圧倒的な力でピッコロを瞬殺し、17号を吸収しようとするセル、その前に立ちふさがったのは16号だった。

本人申告では「セルとは互角だ」とされている。

計算ではわたしとセルはほぼ五分と五分の力だ

出典:ドラゴンボール完全版25巻

実際の戦闘描写も見てみよう。

16号はセルを顔面パンチで吹っ飛ばす。突進してお互いに頭突きを見合った後、セルは尻尾で顔面を弾き、16号を吸収しにかかるが機械タイプの16号には効かず。16号は尻尾を掴んで地面に叩きつけ、そのまま尻尾をもぎ取るがすぐに再生してしまう。

改めて気を開放したセルは、16号のキックを躱して蹴り飛ばし、さらに追いついてパンチを見舞って16号は口から出血(出オイル?)する。

出典:ドラゴンボール完全版25巻

しかし16号もロケットパンチで反撃。勢いそのままもう一発殴りつけた後、セルを地面に投げ込んでヘルズフラッシュを叩き込んだ。

ヘルズフラッシュを食らったセルの傷はこのくらいである。

出典:ドラゴンボール完全版25巻

体が汚れているのは傷か土かよくわからないが、少なくとも出血や欠損は無さそうだ。16号も「今の攻撃ぐらいで死ぬような相手ではないぞ!」と発言しており、想定通りのダメージといったところだろう。

戦闘描写的には、16号の申告どおりほぼ互角と考えて良さそうなため、16号の戦闘力はセルと同じ3000万と推測したい。(セルの戦闘力は前回参照)

17号吸収セルの戦闘力

さてここからは恐ろしいインフレタイムである。
17号を吸収したセルの気を感じた悟空は以下のように発言していた。

セ・・・セルってやつの気が異常にふくれあがった・・・・・・・・・

出典:ドラゴンボール完全版25巻

セルは多少のパワーアップではなく、「異常に」強くなったと考えて良いだろう。

16号は勝てないことを悟り、18号を連れて逃げようとするが、セルは圧倒的なスピードで追いついてしまう。

16号は顔面にパンチを見舞うものの、セルは仰け反りすらせず全くの無反応。

出典:ドラゴンボール完全版25巻

逆にセルは軽くエネルギー弾を放っただけで顔を半分吹っ飛ばし、16号を戦闘不能に追い込んだ。

出典:ドラゴンボール完全版25巻
出典:ドラゴンボール完全版25巻

16号は(機械だが)瀕死状態となった。

さて、この圧倒っぷりをどう考えるべきか。
これまでの過去の瞬殺描写では、軽く放った気功波一発でKOした事例は無いが、近い場面としては気功波一発で死亡したナッパとピッコロの描写がある。

出典:ドラゴンボール完全版16巻
出典:ドラゴンボール完全版16巻

この時の攻撃は悟飯を狙ったものだが、ナッパは直前に蹴られて逆上していた。全力かどうかは微妙だが、少なくとも軽く放ったものではないだろう。
その気功波を正面から受け止めてピッコロは死亡、その二人の戦闘力差を本稿では2.1倍と推測している。

この値を正とするならば、少なくとも2.1倍差の相手の気功波は一撃も耐えられないということになる。

描写と照らし合わせると、セルの気功波はナッパよりかなり軽く放った印象があるため、戦闘力差はもっと大きくて然るべきだろう。
ただし、16号はピッコロと違って至近距離で受けているし、受けたところは(機械だが)急所の顔面だ。さらにピッコロは悟飯を守るために全霊で防御していたはずだが、16号はやや不意を突かれてくらっていた。気功波は軽かったとしてもその状況は差し引いて考えるべきだと思われる。

以上により、ここでの結論としては、セルと16号の差はナッパとピッコロの2.1倍よりはもう少し大きな、しかし大きすぎない差として2.4倍とし、17号吸収セルの戦闘力は7200万と推測したい。

・・すさまじいインフレだが、16号とセルの戦いは作中屈指の楽勝描写でもあり、このくらいの差がついてしまうのはどうしても避けられなそうだ。

17号吸収セルの全力

そしてさらに恐ろしいことにこのセルは本気ではないのである。

この後、ベジータと対峙した際にセルは気を開放、ベジータが「かなりの戦闘力の飛躍」と発言するほどのパワーアップを果たしている。

本気にさせたいようだな・・・・・・・・・
このわたしを・・・
はああああ・・・・・・・・・!!!!

出典:ドラゴンボール完全版26巻

ほうかなりの戦闘力の飛躍だ・・・
・・・だがそれがどうした?

出典:ドラゴンボール完全版26巻

このベジータの”かなり”という表現をどの程度の値と捉えるべきか。
以前、フリーザが悟空に対し「まだかなりのパワーを隠している」という似た表現をした際は、本稿ではそこから1.2倍上昇と推測している。

ただし、この時の悟空が開放したのはあくまで”奥の手分だけ”だった。今回のセルは本気でない状態から限界まで力を開放している印象のため、上昇幅はもう少し多いだろう。
こちらも1.2倍より少し多く、しかし大きすぎない差と考えると、感触的には1.4倍程度が妥当だろうか。

前述の7200万の1.4倍とすると、17号吸収セル(フルパワー)の戦闘力は1億となる

やはりここで大台に乗ってしまうのか・・。このあたりの展開はみなパワーアップを遂げるごとに、”接戦”ではなく、圧倒的な”子供扱い”になっていく展開なのだから、これだけの差が出るのは仕方ないところだろう。

もしセルが1億だとすると、超サイヤ人悟空(920万)、超サイヤ人ベジータ(1000万)、超サイヤ人トランクス(800万)、いずれも10倍以上の差になる。
ごく単純に足しあげて計算したとしても、超サイヤ人10人がかりでまだ及ばない。
肌感としてそれが妥当なのかを想像してみると、確かにノーマル超サイヤ人10人が束になっても勝てるイメージは全く湧かない。10人の力を吸い取った元気玉を作れば倒せるかどうか・・というくらいに思える。

やはり悟空の言う通り、どうひっくりかえっても勝てそうになく、そう考えるとこの値で妥当なのかもしれない。

天津飯の戦闘力と新気功砲

さてここでもう一つの超難問である。そんな1億近いセルを短時間でも足止めした天津飯の戦闘力だ。

天津飯は18号を追いかけようとするセルに新気功砲を連発。

出典:ドラゴンボール完全版25巻

確認できる範囲で10発の新気功砲を放ち、セルを足止めすることに成功していた。
足止めしていた時間は劇中時間でだいたい20~30秒くらいだろうか。少なくとも10秒よりは多く、1分はいかない程度と思われる。(アニメだとめちゃくちゃ長時間足止めしているが・・)

この描写はどう解釈するかが難しい。ストレートに天津飯がかなり強かったと考えるか、はたまた別の要因と考えるか

個人的には「チャオズが隠れて超能力をかけていた説」を割と本気で推しているのだが、

さすがにこれは劇中描写の根拠が無さすぎるので、ここでは別の説も考えておこう。

劇中、戦闘力の離れた相手を怯ませた事例となると、クリリンとドドリアが挙げられる。クリリンは不意打ちでキックを放ち、ドドリアを吹っ飛ばすことに成功していた。

出典:ドラゴンボール完全版18巻

この時の戦闘力は、本稿基準でクリリン2300、ドドリア18500のため、その差は8倍になる。

つまり、相手の戦闘力の8分の1程度の攻撃力があれば、多少怯ませることはできるのである。(不意打ちという点は目をつぶったとして)

そうすると、天津飯が新気功砲を使った時点のセル(7200万)の8分の1、つまり戦闘力900万相当の威力が新気功砲にあれば一瞬の足止めは可能ということになる。
900万というと本考察では超サイヤ人悟空の全力とほぼ同じなので、その悟空のキックくらいの威力になるはずだ。

気功砲は命を削って繰り出す技であるし、界王拳20倍かめはめ波くらいの増幅効果があったと仮定しても、900万の威力を出すためには天津飯の戦闘力が45万くらいは無いといけない計算になる
はたして地球人(正確には三つ目人の末裔だが)がフリーザ第1形態に近いくらい強くなることが可能だったのだろうか?

これはかなり解釈が分かれるところである。後にブウの気弾を消している天津飯なら余裕と思う人もいるだろうし、さすがにそこまで強くないと思う人もいるはずだ。

個人的には、やはり潜在能力開放という裏技を受けたクリリンですら数万に留まっていたのだから、界王様+3年独学修行の天津飯が45万というのは中々考えにくい気もする。
もちろん、”最長老の潜在能力解放は力を全部引き出すわけではなく、クリリンもその後大きく伸びた”という考え方もできるわけだし、天津飯が数十万だった可能性も否定はできない。
どう考えるかは好みになるのだが、本稿での考え方としては、天津飯の戦闘力は高くても4万程度に留まっており、純粋な気の力でセルを押し留めたわけではないということで進めたいと思う。
最長老、そしてヤムチャに地球人最強と言わしめたクリリン尊重案だ。

しかしそうすると、数万の天津飯がセルを押し留められたのはいったいどういう理屈かという話になるのだが、そこには気功砲という技の性質が関わっているのかもしれない。

気功砲が撃たれた地面を見てみると、鋭利な刃物で手の範囲を切り取ったような特殊な形になっていた。

出典:ドラゴンボール完全版25巻
出典:ドラゴンボール完全版9巻

通常の気功波の場合は、地面に着弾すると爆発する形となり、地面が円形もしくはいびつな形に吹っ飛ぶことになる。

出典:ドラゴンボール完全版23巻

しかし気功砲はしっかり手の形のままきれいに穴が空くのである。通常の気功波とは異なる特性と言えるだろう。

つまり、気功砲は、射線上の障害物を削り取って進むような性質の気功波なのではないか?気功砲は爆発や炸裂を生むタイプの技ではなく、削り取る力が高いのだ。

例えるなら四角い金属の塊を固めのゼリーに落としたようなイメージである。気功波の威力が拡散せず、地面の底に向かってめり込む形で作用し、セルに効果的に重圧をかけたのだ。
そのように考えれば、天津飯の戦闘力が低くともセルを押し留められた描写に一応の理屈をつけられるかもしれない。

ただ、筆者の所感としては、それでも厳しいな・・というのが正直なところである。なにせセルは7200万という異次元すぎる数値なのだ。いくらなんでも、である。
やっぱりチャオズの超能力説じゃだめですかね・・?

まとめ

16号 3000万
17号吸収セル(初期) 7200万
17号吸収セル(全力) 1億

説1
天津飯 4万 →セルを押し留められたのは気功砲の特性によるもので本人はそこまで強くない

 
説2
天津飯 45万 →45万×20倍で900万相当の威力が新気功砲にあった

 
説3
天津飯 4万 →実はチャオズがこっそり超能力をかけており、気功砲とダブルの効果で足止めできた

(本考察基準で)フリーザや超サイヤ人悟空が1000万未満であることから考えると、もう16号の時点で圧倒的な数値なのだが、17号吸収セルはもはや異次元の値である。
ただこの方、次回ボコボコにされるんですよね。そしてその方もボコボコに・・。恐ろしいインフレはまだほんの序章なのだ。

余談

  • 16号は目覚める前、17号に「パワー値はオレたちのほうが上なのにか?」と言われていた。つまり”16号は前もって何らかのパワー値が計測されていたが、それより大幅に実数が上だった”ということになる。以前の考察で”現代の16号は未知の技術をゲロが得たことで完成されたのでは”と述べたが、その未知の技術分がセンサーでは計測できてていなかった、とするとこの説の裏付けにもなりそうだ。

  • 18号がセルから逃げる際、16号を置いて逃げることもできたはずだがそうはせず、半壊状態の16号を連れていくことを選んだ。ほんの少し行動を共にしただけで深く関わったわけでもない16号をである。18号は後にアニメ版や劇場版でなんとしても娘を守る母としての描写が随所に挟まるのだが、性根の優しさはこの頃にもう表現されていたと言えるだろう。

  • 16号と18号が潜む島にセルがエネルギー弾を撃っていた際、18号は「わたしは助かってもあんたは助からないよ!」と言っていた。恐らく半壊状態の16号は攻撃を防ぐ術がない、つまり人造人間はボディの耐久性で耐えるのではなく、人間と同じように、エネルギーを気の要領で纏わせて防御するのだと考えられる。

  • 文中でセルと16号の描写に対し、「軽い気功波一発でKOした事例はない」と記載したが、実は一つだけ例がある。トランクスとコルド大王だ。本稿ではトランクス800万、全く根拠の無い想像としてコルド大王は250万と推測しており、その差は3倍強になる。今回の16号とセルの差と照らし合わせれば、確かに気功波一発で倒してもおかしくない差だろう。

  • セルが17号の口調を真似た経緯により、18号たちは勝手に改造したゲロを恨んでいたことが明かされているが、この後も18号は特に問題なく生き続け、子どもを生んでいるし、強いし、老けないし、さしたるメンテナンスも不要そうだし、人体改造としては恨む点の無い理想的なものにも思える。もしかすると人類は次の進化形として18号を目指すべきなのかもしれない。

次回、超ベジータ、ムキンクスへ続く・・

まとめ記事↓


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