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人間は奇蹟そのもの
ベビさん、こんにちは。あと222日。
今日も細胞が分裂して、どんどん身体の器官ができているのかな。
プチプチとべびさんの体が少しずつ出来上がっていくことを想像すると、かつて観劇したある舞台のセリフを思い出します。
広告文案家という、いまでいうコピーライターの方が「人間」というものを言葉で表現したものです。
この宇宙には四千億もの太陽が、星があると申します。それぞれの星が平均十個の惑星を引き連れてゐるとすると惑星の数は約四兆。その四兆の惑星のなかに、この地球のやうに、ほどのよい気温と豊かな水に恵まれた惑星はいくつあるでせう。たぶんいくつもないでせう。だからこの宇宙に地球のやうな水惑星があること自体が奇蹟なのです・・・。
・・・水惑星だからといってかならず生命が発生するとはかぎりません。しかし地球にあるとき小さな生命が誕生しました。これも奇蹟です。その小さな生命が数かぎりない試練を経て人間にまで至ったのも奇蹟の連続です。そしてその人間のなかにあなたがゐるといふのも奇蹟です。
かうして何億何兆もの奇蹟が積み重なった結果、あなたもわたしもいま、ここにかうしてゐるのです。わたしたちがゐる、いま生きてゐるといふだけでもそれは奇蹟の中の奇蹟なのです。かうして話をしたり、だれかと恋だの喧嘩だのをすること、それもそのひとつひとつが奇蹟なのです。人間は奇蹟そのもの。人間の一挙手一投足も奇蹟そのもの。だから人間は生きなければなりません。
宇宙のなかで、地球という水惑星があることが自体が奇蹟。
その水惑星で、僕とベビさんのママが出会ったことも奇蹟。
出会ったところから、ベビさんの細胞がプチプチと生まれていくことも奇蹟。
毎日を生きているといろんなことがある。
病気や交通事故、お餅を喉につまらせることも。
人と人が殺し合う戦争だってある。
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僕のおじいちゃんは(ベビさんのひいおじちゃんは)、戦争に行った。
その時に命からがらに生き延びた。いろんな幸運が重なって生き延びた。
満州というところから、なんとか帰って来れた。そう話してくれた。
そのおじいちゃんがいなければ、僕のお父さんはいない。
僕のお父さんがいなければ、僕もいなくて、ベビさんもいない。
そう思うと、本当に奇蹟。感謝がいっぱい。
無数の奇蹟によって、いまこの瞬間がある。
いつかこの舞台、観てみてね。