春、シナモンロール、読書
モーニングによく利用するドトールで、アルバイトの大学生風男子がレジからフード担当に変わっていた。
私が見る限り、それは新しい持ち場(フード担当)を任された風で、ちょっと固い表情で、ちょっと緊張した声と手つきで慎重にこなしていた。
その時のレジの女性は、社員さんなのかバイト歴が長い方なのか、いつもそつなく感じよく働いている見慣れた人だった。
ちょこちょこ彼の方に目をやり、見守っている様子。
ああ、彼も成長して変化していってるなあと、春という季節もありフレッシュな気持ちになる。
これを書いているのは、これまたよく利用するスタバ。
ショーケースには久しぶりに再登場したシナモンロールが置かれ、ぜひ食べてみてくださいというようなポップがある。
スタバのシナモンロール!!
これ、昔はもっと大きくなかったかしら?
相変わらず凄まじいカロリー数が書かれており、思わず二度見。
しばらく見かけなかったシナモンロール。
再登場にちょっと嬉しくなる。
復活したことが、なんだか嬉しい。
大学時代、スタバに並びコーヒーとケーキにこんなにお金を出していいものかと怯みながらお茶した記憶が蘇る(スタバが「シアトル系コーヒー」と騒がれたのは懐かしい記憶!)。
変化・成長するものと、復活するもの。
全然違う出来事だけど、なんだか元気がでた。
そして、変化しないもの。
スタバもドトールもいつも美味しいコーヒーが出迎えてくれる。安定の味。
それは揺るがない安心感。それがあるから変化も復活も喜べるのだろう。
最近読んだ本たち。
個人的にハズレなしの桜木紫乃作品。これは桜木作品の陰と陽でいう「陽」の方。
俺、マジシャンの師匠、女装の男性歌手、年齢不詳の踊り子。この四人の期間限定の共同生活が楽しい。切なくて面白くてちょうどいい暖かさ。他人とのつながりについて考えさせられた。
映像化するなら、「俺」は岡山天音くんがいいなあ。マジシャンは小日向文世さんのイメージだけど、もう少し年齢が若い設定だなあ。
ブルーボーイの歌手を誰にするかが一番の難問かもなあ。
桜木紫乃さん、もっともっとたくさん書いてほしい。いつまでも読んでいたい作家さん。
イ・ランさん「悲しくてかっこいい人」。これ、表紙が素敵で本屋さんで目に留まった作品。エッセイ。歌手でイラストレーターで映像作家の彼女。率直で瑞々しい文章が刺さった。三十代前半の頃の自分を思い出す。
彼女の逞しい反面、とても危うげで孤独な狼のような人となりに魅力を感じる。
これ、若い時に読んだらきっと泣いてたな。
おしゃれな装丁!小川洋子さんの雰囲気にピッタリ。「遠慮深いうたた寝」ってタイトルの洒落っ気に拍手。読んでいるとお花を飾った日の当たる部屋で、ベランダの緑を眺めながらぽかぽかと日向ぼっこしたくなるような気持ちになる。
まだ読み始めだけれど、これはお気に入りの予感。
私の変わらないものは好きな食べ物。この日もトーストとコーヒー。
眺めていると、またすぐに食べたくなる。
そして、ファッション。
別に流行りのものでなく、自分が好きなもの、自分を表現するもの。
それを選び装うことが相変わらず好き。
ヘッダーの写真はある日の私。
薄い色味の切りっぱなしデニムにピンクの靴下、グレーのニューバランス、
いつもの指輪と緑の古着スウェット。
私も、変化して変化しなくて復活していく。
そんなふうに自由にどっしりとしなやかに楽しんでいきたい。
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