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いつのまにか〇〇がなくなった映画館。あった方がよかった?

現在でも毎年何回かは映画館に足を運ぶのだが、そういえばいつのまにか普通だったものがなくなっている、と改めて気づいた。



⭐︎


40年ほど前、家族で映画を観にいく時でも、映画館の上映時間を調べたことがなかった。



現在の映画館では、
「〇〇時〇〇分上映の『△△(映画名)』は、只今より入場受付開始です」
とアナウンスがあり、上映開始から何分か過ぎると、次の上映までの入場は原則できない。
また上映終了後には、毎回お客さんを全員退出させて、改めて新しいお客さんを受けいれる。


だが昔は違った。

映画館は上映途中にいつ入場しても自由だったし、そのまま上映を何回観つづけてもOKだったと思う。



『エイリアン』
という映画を9歳の頃、母と姉と観にいった。

1979年夏公開作品

当時の映画館って全席自由席でしかも混んでた。人気作品だと通路に座ったり、後ろで立ち見してる人もたくさんいた。

「映画途中だけど入るよ」
と母に言われ入場した。人気が高かったこの映画もやっぱりとても混んでいて、私たちは通路端で立ち見だった。
スクリーンを観た途端に、

ひとりの乗組員が食事中に突然苦しみだして、
やがて彼の胸部を食い破って奇怪なヘビのような生物が出現する。

というシーンが流れた。
コワいけど前半のすごいシーンだ。
でもその時は、何が何だかさっぱりわからなかった。

それでも最後まで観た。


その回の上映が終わり、入れ替わりで席に座れた。そして次の上映を見始めた。




そして件の、
『乗組員の胸部から変な生き物が出てきた』
シーンが終わると母が、
「帰るよ」
と立ち上がって私たちを促した。



えー……。
やっと話が繋がったし、やっと座れたから最後まで観たいなぁ。
でもその時は、もう出ていってしまった母について出て行くしかなかった。



『エイリアン』が人気だったのは、単独上映だったことでもわかる。当時の多くの映画は2本立てで、交互に上映するのが普通だった。
それを同時上映といっていた。
単独での上映は時間が長いか、超人気作品だけだったような。でも当時は観たい映画だけでなく、同時上映の映画もなぜかちゃんと観た。

多分母は『エイリアン』に同時上映があると勘違いしたのではないかと思う。同時上映はメインの映画より少し短くて、正直、ホント失礼だけど、人気のない作品が多かったので、『エイリアン』で座るために途中入場したのかな?と。
わからないけど。

その後『エイリアン』は2も3も観たけれど、やはりインパクトは1が一番大きかった。だからこそちゃんと映画館で最初から最後まで通して観たかったなぁーと未だに思う。
まぁあんな見方を残念に思ってるだけで、だから覚えてるだけかもしれないけど。


そう考えると同時上映がなく、観たい映画だけを最初から最後まできちんと、座席指定で観られる今の映画館のシステムって贅沢だなぁと思うのだ。


でも
『となりのトトロ』
『火垂るの墓』
は劇場での同時上映作品だったらしい。
このふたつを同時上映ってすごい。
それはそれでものすごく贅沢。

それなら観たい気もする。
でもあまりにテンションの違いすぎる映画。
これらを同時上映はどうだろう?
とは思うけれど。

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