「砂遊び」
公園の中、ため息をつきながら、コーヒーを飲んでいた。気になる女の子とデートに行ったが微妙な距離感になってしまった。
「まぜてー」
小さな女の子の声が聞こえた。砂場の方からだ。女の子の目の前にはスコップを持った男の子が一人いる。
「いいよー」
男の子は少女を見た後、にこやかに答えた。そこにはおそらく僕のような不純な気持ちはない。ただ、年の近い子と一緒に遊びたい。
これだけだ。僕も子供の頃はよくああやって知らない子供と遊んだ。砂場で遊んでいた頃はもっと素直で人との距離も近かった。
今と何が違うのか。それを考えてもキリはない。
「もう一回頑張ろう」
二人の子供に勇気をもらった僕は連絡ツールを開いた。