「Tokyo tower」

ぼんやりとした意識の中、目を覚ました。耳に無数の人の足音が聞こえてきた。

 目を開けると大勢の人が僕を避けて歩いていた。その目はまるで人ならざるものを見るような目だった。たくさんの人が行き交う駅の中で僕は眠っていたのだ。突然、強烈な吐き気を催して、駅のトイレに駆け込んだ。吐瀉物を吐いた後、ふらつきながら家に向かった。

 定期的に襲ってくる頭痛に苛立ちながら、何とか家に着いた。鍵を開けてシャワーを軽く浴びて電源が切れたようにすぐに眠った。

 
 目を覚ました。顔を洗っていると携帯が鳴った。友人からだった。
「飲みに付き合ってくれ」

「いやー昨日飲んだから」

「彼女と別れたんだよ。話聞いてくれー」
 友人の誘いにため息をつきながら、了承した。まぁ、話を聞くだけで飲まなきゃ良いんだ。飲まなきゃ。

 

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