「孤独に塩」
窓の外に二羽の鳥が枝に止まっていた。仲睦まじく体を寄せ合って、互いの存在を直に感じている。
僕は自分の携帯に目を向けた。画面には一人も引っかからないマッチングアプリが写っている。
誰からも通知が来ない。孤独な時間。この孤独を忘れる為にダウンロードしたはずなのに余計に孤独感が増している。
ため息ばかりが出てくる。孤独から目を背ける為に昼から缶ビールを開けた。
何度も開けた。これしかなかった。もう何もない。ならもういらない。僕はマッチングアプリを消した。
すると自分の中にあった重みが消えた。結局、周りの目が気になりすぎていただけなのだ。数カ月ぶりに救われた気がした。
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